この記事のライターであるルーク・オニールは、「命を賭けてもいいくらい確信していることを、これから2つ話しましょう」と、前提を加えながら綴っています(笑)。以下をご拝読ください。

まず1つ目。あるとき誰だかはわかりませんが、トランプ氏はこう教わったに違いありません。「世界的なリーダーたちと今後あなたは会い続けることになるでしょう。そんなときは、第一印象が大事! まずは握手の際に、柔道の関節技を使うように。そこで圧倒的な第一印象を獲得するのです!」と。

続いて2つ目。そんなトランプ大統領との会談を行ったカナダの首相ジャスティン・トルドー氏の話です。その対応が実に見事でありました。トルドー首相チームは、この数週間におよびトランプ氏の奇妙な儀式に関して徹底的なリサーチを行ったに違いありません。

それはまるでNHLデトロイト・レッドウィングスの名監督マイク・バブコックさながらに、トランプ大統領のゲームテープを何回も目に焼き付け、その傾向を集計、そして対策を練り上げたのです。そうして見事な戦略を立てた後に、トランプ大統領との会談に臨みその儀式を成功に終わらせたのです。

まずは、その握手を見てください

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見事な戦略で臨んだ、トルドー首相の握手です。

この映像に関して四の五の言う前に、最近のトランプ握手=組手を観てみましょう。たとえば最高裁判所の候補者ニール・ゴーサッチ氏との対戦は、摩訶不思議な綱引き合戦となっています。ゴーサッチ氏はトランプ大統領の戦術に対し、戸惑いの表情を浮かべています。これは歓迎の挨拶というよりもむしろ、獲物を捕まえようとするロブスター漁師のようにも見えます。

次に安倍晋三首相との握手を見てみましょう

トランプ大統領は安倍首相の手をグッと握りしめ、さらにグイッと引く動作とともに子供をあやすように手の甲をポンポンと軽く叩く動作を繰り返していました。

私には、あざ笑うかのように見下した態度で力を誇示していたようにも見えました。まるで、クレアチンを摂って筋トレを頑張っているおじいさんの挨拶といった感じです。

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Hilarious Handshake Trump VS Abe Japanese Prime Minister
Hilarious  Handshake Trump VS Abe Japanese Prime Minister thumnail
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トルドー首相は、この2つのゲームビデオをスカウティングをしたに違いありません。そして彼は、次回自分がトランプに会うときの準備を整えていたのです。

こうして2017年2月13日、ジャスティン・トルドー首相はホワイトハウスで行われた会談に臨んだに違いありません。そしてトランプ大統領は、自らの罠にハマるロブスターを待つかのように、期待しながらトルドー首相を待っていたことでしょう。

罠に誘い込む漁師のようなトランプ大統領

しかし、はるかに若く敏捷(びんしょう)なトルドー首相は恐れる素振りもみせず、即座に近寄り、自分より背の高いトランプ大統領の“コントロールレンジ(自分か管理できる範囲)”にすっと入り込みながらも、臆することなく親密な接触を成功させたのでした。

トランプの右肩をぎゅっと掴むことで、握手で引っ張られた際に自分の体を安定させておく、拠り所を確保していたのです。両脚を踏ん張ってからトランプ大統領の手をしっかりと握り、引っ張られないようしているように見えます。

次にトランプ大統領は、自分の手をトルドーの手の上側に持っていって優位に立とうとしました。が、それでもグッと握り続けるトルドー首相。結局、トランプ大統領はそのまま劣勢を挽回することはできませんでした。

部屋に入った2人は、カメラのシャッター音がするなか無言で座りました。

「彼らは私たちが握手するところを撮りたいのだと思うよ」と、トランプ大統領が提案しました。するとトルドー首相は、安倍首相のときとは違って、その握手はすぐに終わったのです。つまりトランプ大統領は、自分の負けを悟っていたからではないでしょうか。

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実はトルドー首相こそ、握手の名手!?

これはカナダと米国の関係が、オバマ政権下の最後の状態よりも険しいスタートとなったことを示しているのかもしれません。とはいえ、友人間での握手でも、そのタイミングや力加減でうまくいかないことは多々あります。これに関しては、私の取り越し苦労かもしれません。

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Getty Images

Source / ESQUIRE US
Translation / Spring Hill, MEN'S +
※この翻訳は抄訳です。