記事のポイント

  • ジョージア州で昔ながらの南部訛(なま)りが減少傾向あることが、2つの大学の調査で明らかになりました。
  • 主流となっているアメリカ英語のアクセントへの移行が、X世代でより顕著になっています。

南部訛りを使う人が
急激に減少

ゆっくりとした話し方で有名なあの南部訛りが、消えつつあるようです。

主にジョージア州の白人の英語話者が使うこの地域のなまりは、ベビーブーマー世代(第二次大戦終結後のベビーブームのときに生まれた人たち)でピークに達し、X世代(1960年代中盤~70年代終盤で生まれた人たち)で急降下。アメリカで主流なイントネーションへとシフトし続けているそうです。

この結論は、ジョージア大学とジョージア工科大学の共同研究で導き出されたもので、学術誌『Language Variation and Change』に掲載されました。共著者でジョージア大学の言語学助教授のジョン・フォレスト氏はニュースリリースで、次のように述べています。

「南部の人口動態は、特に第二次世界大戦後、この地域に移り住んできた人々によって大きく変化しました。私たちは多くの地域でここと類似した変化を見ており、カリフォルニア、アトランタ、ボストン、デトロイトでも、似たような話し方の特徴を持つ人々を見つけるかもしれません」

研究者によれば、「ジョージア州では、白人の英語話者のアクセントが世代を重ねるごとに伝統的な南部の発音から離れていく」とのこと。ジョージア大学の言語学准教授で研究責任者のマーガレット・レンウィック氏は、ニュースリリースの中で「今の大学生は、自分たちの両親と発音が似ておらず、その両輪たちもまた、自分たちの両親の発音とは似ていませんでした」と語っています。

この研究で著者たちは、「南部母音推移(Southern Vowel Shift )や北部都市母音推移(Northern Cities Shift)のような言語特性が、主流なLow-Back-Merger(Cot–caught merger) Shiftに取って代わられている」と主張。これは「各地域の母音系統が、X世代の後に急激に減少した」という考えを暗に示しています。

ジョージア州でキャンパスライフを送る大学生から得た事例証拠を分析テストにかけるため、研究者たちはジョージア州出身の幅広い年齢層の白人を記録。研究チームは、訛りを定義する重要な特徴となる母音に注目しました。

はっきりとしたマーカーとなったのが「prize(賞)」と「face(顔)」です。年配のジョージア人たちは「prize」を「prahz」と言い、「face」を「fuh-eece」と言いました。が、非常に若い人たちは「prah-eez」と「fayce」というあまり南部的でない言い方をしました。

レンウィック氏は、「『prize』の二重母音の変化は、南部の話し方において非常に古く特徴的な発音で、100年以上前までさかのぼることができます」と話します。続けて「『face』のような単語の南部的な発音は20世紀初頭に生まれました。これらには典型的な南部訛りの特徴があります」とも。

研究者たちは、「南部訛りの変化を浮き彫りにしたこの研究は、世代間や社会的な言語の変化をマッピングするための第一歩だ」と確信しています。そして研究者たちは次に、同州の黒人を対象とした世代を超えた訛りの研究に取り組み、「言語の進化が、社会の傾向をどのように浮き彫りにするか? をさらに理解したい」とのこと。

今のところジョージア州の2つの研究機関の研究者たちは、「南部訛りに変化が起きている」と考えています。

source / POPULAR MECHANICS
Translation & Edit / Satomi Tanioka
※この翻訳は抄訳です