2021年われわれは、最もパワフルなジープ「ラングラー」を手に入れることができるでしょう。そしてそこには、“最も燃費の良い”という称号も手に入れることになるのです。

 1987年からジープブランドで販売される屈指のオフローダー(市街地よりもアウトドアや悪路走行に適したクルマ)として人気の「ラングラー」に、初のハイブリッドドライブトレインを搭載する「ラングラー 4xe(フォー・バイ・イー)」が加わることが2020年8月25日に発表されました。そしてそのお披露目は、同年12月になるとのこと…。

 注目せずにはいられないこのモデルは、375馬力と約637Nmのトルクを誇り、これまでに製造された純正「ラングラー」の中では、最もパワフルなモデルとなります(ただし、ジープが450馬力のV型8気筒エンジンを搭載した「ルビコン392」のコンセプトカーの市販化を決断すれば、トップの座を譲ることになりますが…)。

wrangler hybrid

パワフルな走りと
状況に応じて選べる
3つの走行モードを搭載

 この「ラングラー4xe」は、2.0リッターターボチャージャー付き4気筒エンジン(270ps、 約400Nm)を搭載し、2つの電気モーターも搭載しています。1つ目のモーターはオルタネーター(交流の電気を生成する発電機)の代わりにモータージェネレーターを、2つ目のモーターは8速オートマチックトルクコンバーターの代わりに使用されます。

 後部座席の下には、17kW/hのバッテリーパックを搭載。バッテリーは運転席側フロントガラス基部の充電ポートやガソリンエンジン、回生ブレーキで補充し、電気のみで最大 25マイル(約40km)の航続距離を確保するとのこと。

jeep wrangler
JEEP
ジープの中でも、特に優れた4×4性能を持つモデルに与えられるバッジ、「Trail Rated(トレイル・レイティッド)」。これは地球上で非常に険しいトレイルでの、過酷なオフロード性能試験に合格した証でもあります。
jeep wrangler
JEEP
アクセントカラーとして、スカイブルーを随所に配しています。
jeep wrangler
JEEP
大自然の中ばかりではありません。都会へ戻って来たときでも、この映えるデザイン性の高さをご覧ください。これは人気間違いなしです!

 プラグインハイブリッドである「ラングラー 4xe」には、3つの走行モードが用意されています。標準タイプである“ハイブリッドモード”はバッテリー駆動を優先し、必要に応じてガソリンエンジンを使用します。“エレクトリックモード”はドライバーがアクセルを全開にするか、充電状態が極端に低下しない限り、バッテリーのみで走行します。“Eセーブモード”はガソリンエンジンでクルマを走らせ、バッテリーの再充電やフル充電の状態を維持するとのこと。

 そしてデザインは、エクステリアとインテリアに蛍光色のスカイブルーをアクセントカラーとして配し、屈強さの中に都会的な印象をプラスしています。さらにインストルメントパネルには、ハイブリッドバッテリーシステムの充電状態を表示するユニークなデザインを採用しています。

これはyouTubeの内容です。詳細はそちらでご確認いただけます。
 thumnail
Watch onWatch on YouTube

自然と一体化する喜びを
堪能できるオフロード性

 ドライブトレインは、スポーツ・サハラ・ルビコンの各モデルに用意され、「ラングラー」に求められるあらゆるオフロード性能を提供します。四輪駆動では、ハイブリッドとピュアEV駆動モードが利用可能です。

 また、パワフルな推進力により、過酷な荒地も問題なく走破可能。音も静かなので、美しい景色はもちろん、小川のせせらぎや鳥の声など大自然の音も走行中により楽むことができるでしょう。従来の「ラングラー」同様に、水深30インチ(約76cm)までの浸水にも対応しており、浅い小川も走破できます。適切なオプションを装着した場合、最大3500ポンド(約1588kg)まで牽引することも可能です。

 米国ジープのホームページによると、推定MPGe(ガロンあたりのガソリン換算マイル数)は50マイル(約80km)、推定総運転距離は400マイル(約640km)とのこと。

 そして、気になる今後の展開ですが、2021年初頭に米国、欧州、中国で発売される予定となっており、価格はまだ発表されていません。ワイルドな走りを約束するオフローダーとしてはもちろん、都会の街中にも映えるデザイン。燃費が向上し地球環境にも配慮したモデルだけに、日本国内での発売が今から待ち遠しい1台です。

 ちなみにジープでは、この「ラングラー 4xe」に先行して、「2020年秋デビュー」と銘打ってブランド初のプラグイン・ハイブリッド車となる「レネゲード4xe」の登場を控えています。

Source / Road & Track
Translation / Esquire JP
※この翻訳は抄訳です。