2019年末に新型「ディフェンダー」を、2021年10月には5代目となる「レンジローバー」をフラッグシップモデルとして送り出すなど、最近ランドローバーの動きが活発です。そして2022年5月10日(現地時間)、ランドローバーは第3世代となる「レンジローバースポーツ」を発表しました。

話題のニューモデル。その実力は?

新型「レンジローバースポーツ」も2代目と同様に、本家「レンジローバー」とプラットフォームを共有し、その他の装備についても多くを継承しています。

剛性強化のためにスチールの使用を増やした「MLA Flex(flexible Modular Longitudinal Architecture)」と呼ばれる新型プラットフォームに加え、エアスプリングとアダプティブダンパーを装備。V8エンジン搭載モデルには本家「レンジローバー」と同じく、48V電動アクティブアンチロール・コントロールシステム、および後輪を操舵するリアステアリングが採用されています。

image
Land Rover

パワートレインについても同様です。

目を見張る完成度の3リッター直列6気筒エンジンの出力は355~395馬力、さらにBMW製4.4リッターV8エンジンへのアップグレードを行えば523馬力となります。いずれのモデルも、定評あるZF社の8速オートマチック・ギアボックスとは文句なしの相性です。

434馬力のプラグインハイブリッドもラインナップに加わっており、フル電動走行で48マイル(約77キロ)の航続距離が約束されています。また2024年には、ビュアEVも追加される予定となっています。

image
Land Rover

本家「レンジローバー」でも見事な実力を発揮しているシステムである、シャシー関連の機能・装備を包括的に制御する「インテグレーテッドシャシーコントロール(ICC)システム」は全モデルに装備されています。

6気筒のモデルにはアクティブアンチロールとリアステアリングの採用が見送られているのは残念ですが、ランドローバーが誇る「テレインレスポンス2」システムの優秀さをもってすれば、オフロードでの走行を苦にするとことなどあり得ないでしょう。

無駄をそぎ落とし、デザインはストイックに

第3世代「レンジローバースポーツ」にも本家「レンジローバー」と同様に、無駄のないデザイン哲学が踏襲されています。が、これが紛れもない「レンジローバースポーツ」であることは一目瞭然です。

従来の「レンジローバースポーツ」から多くの部分を引き継ぎながらも、明確な進化を遂げているのです。特にリアのデザインは一新されたと言えるものの、テールライトは「レンジローバー イヴォーク」もしくは「レンジローバー ヴェラール」のものと似た形状です。

image
Land Rover
image
Land Rover

無駄のなさは、インテリアにおいても発揮されています。

大型のデジタルメータークラスター、そしてジャガー・ランドローバーの誇る極めて優れた新型インフォテインメントシステムを支えるタッチスクリーンが、桁違いの存在感を放っています。シートについては本家「レンジローバー」と比較してもさらに重厚なつくりで、高く盛り上がったセンターコンソールによってスポーティな雰囲気が増しています。

過酷な環境を走破する“話題の動画”。
今回の舞台はアイスランド

「レンジローバースポーツ」と言えば、毎モデルさまざまな過酷な環境にチャレンジする動画も大きな話題となります。

これまでにもパイクスピーク・ヒルクライムのSUV 新記録樹立や、アラビア半島の砂漠の初横断、2018 年には中国・湖南省の天門山にある“天国への扉”へと続く999 段もの急階段の初走破など、さまざまなチャレンジを達成してきました。

第3世代の「レンジローバースポーツ」の発表に伴うチャレンジは、アイスランドにあるカウランユーカルダムを舞台にして行われました。火山地帯や岩場、浸水したトンネルを走破するチャレンジを決行しています。

毎分750トンの水が流れる193mのダムの放水路を「レンジローバースポーツ」が駆け上る様は、まさに圧巻の一言。その模様はこのページの冒頭に掲載してあります。過酷な状況下を走破する「レンジローバー」の勇姿をご覧ください。

Source / Road & Track
Translation / Kazuki Kimura
この翻訳は抄訳です。