2022年上半期・アメリカで最も売れた車ベスト20
ピックアップトラックが無類の人気を誇った2022年上半期、日本メーカーの健闘も光ります。
日本未発売モデルがあるにせよ、やはり気になるのがアメリカ市場の動向です。全体的に見れば、深刻なサプライチェーン問題の影響もあり、多くの自動車メーカーが前年比割れの販売台数となってしまった2022年上半期。それでもなお、そんな逆境をものともせずブレイクスルーを起こしたモデルも存在します。
果たしてアメリカでは、現在どんなクルマが売れているのでしょうか? 下半期に突入してすでに1カ月半が経過しますが、ここでは2022年上半期アメリカ国内で最も販売台数の多かった乗用車、SUV、ピックアップトラックより、トップ20を紹介します。
20位|ホンダ「アコード」(販売台数8万422台)
2021年に比べて販売台数が30パーセント減となったホンダ「アコード」ですが、息の長い人気車種として根強い人気です。
アメリカ国内ではトヨタ「カムリ」に先を抜かれてしまいましたが、それでも編集部(アメリカのカーメディア「CAR AND DRIVER」)なら、こちらの「アコード」を推したいところです。
19位|マツダ「CX-5」(販売台数8万1804台)
年初は上向きだったマツダの販売台数ですが、徐々に停滞気味です。2022年にモデルチェンジとなった「CX-5」の売上は前年比で12パーセント減となっていますが、それでもまだまだ堅調です。
18位|ヒョンデ「ツーソン」(販売台数8万4071台)
2001年に「ヒュンダイ」として日本に登場しましたが、2010年に日本市場から撤退。そして2022年2月、名称を「ヒョンデ」と変更することを発表し、EVとFCVをひっさげて日本に再進出しています。
今回のベストセラーリストにこの「ツーソン」がヒョンデ車として入ったことは、特に驚くことではないでしょう。
2022年にモデルチェンジがあったばかりで、また人気の高いコンパクト・クロスオーバー部門で健闘しているということもあり、去年の同時期より1パーセントほど高い販売台数となっています。
17位|日産「ローグ」(販売台数:8万7675台)
日産が北米で展開するクロスオーバーSUVの「ローグ」の販売台数は、2021年同時期に比べ約52パーセント減となりました。今回のリストに挙がった他のコンパクト・クロスオーバー勢に、やや遅れを取った感は否めません。
ちなみにこの販売台数ですが、標準型「ローグ」に加え、小型の「ローグ スポーツ」の販売台数も合算されています。
16位|テスラ「モデル3」(販売台数9万100台 ※推定)
「モデル3」と「モデルY」が、2022年上半期の販売の大部分を占めたテスラ。しかし同社は、アメリカ国内と全世界の販売台数を切り分けて公表していません。なので、この数字はアメリカのカーメディア「オートモーティブ・ニュース(Automotive News)」による推定販売台数となっています。
15位|ジープ「ラングラー」(販売台数:9万9497台)
ジープにとっての「ラングラー」は、リーバイスにとっての「501」に等しい存在です。ですが、それでも同社のベストセラーというわけではありません。近年では「グランドチェロキー」の後塵を拝しています。
2022年上半期のフォード「ブロンコ」の販売台数5万4842台というライバルの追い上げが、「ラングラー」の前年比16パーセント減という実績にどれだけ影響を及ぼしたのか、気になるところではあります。
14位|フォード「エクスプローラー」(販売台数:10万2917台)
ミッドサイズSUVのライバルに後(おく)れを取ったフォード「エクスプローラー」の販売台数は、前年比13パーセント減となりました。
ちなみに競合するジープ「グランドチェロキー」とトヨタ「ハイランダー」は、このリストの上位にランクインしています。
13位|テスラ「モデルY」(販売台数10万8000台 ※推定)
総じて入手困難なテスラ車ですが、この「モデルY」をアメリカ国内の公道で見かける機会が増えました。「オートモーティブ・ニュース」の推定では、2022年上半期の販売台数は10万8000台となっています。
12位|トヨタ「タコマ」(販売台数:10万8648台)
ワイルドな顔つきがオフロード気分を盛り上げてくれる「タコマ」は、トヨタが北米で展開するピックアップトラックです。
ミッドサイズ・ピックアップトラック部門において、フォード「レンジャー」やシボレー「コロラド」を抑えて12位にランクインしています。とは言え、「タコマ」の販売台数も去年の同時期と比べ22パーセント減となりました。
11位|ホンダ「CR-V」(販売台数11万6602台)
そろそろ2023年モデルの新型「CR-V」が登場しそうな気配ですが、現行モデルはアメリカ国内のトップ10からついに脱落となりました。去年の同時期と比べ、実に45パーセント減の販売台数です。
10位|シボレー「エクイノックス」(販売台数 11万6,678台)
2022年上半期のコンパクト・クロスオーバー部門では、2位の販売台数となっている「エクイノックス」。しかし前年比では、減少した数字となりました。
9位|トヨタ「カローラ」(販売台数11万6832台)
燃費、信頼性、低価格の代名詞であり続けるトヨタ「カローラ」ですが、人気はやや下降気味かもしれません。販売台数は去年と比べ25パーセント減となっています。
300馬力の「GRカローラ ハッチバック」は確かにホットな存在ですが、同時にニッチでもあり、「カローラ」の販売台数をどこまで押し上げられるかは未知数です。
8位|トヨタ「ハイランダー」(販売台数11万7403台)
販売台数がグッと上がり、ベストセラーのトップ10入りを果たしたトヨタ「ハイランダー」ですが、第2四半期については前年比で19パーセント減という数字でした。
7位|GMC「シエラ」(販売台数:11万8938台)
シボレー「シルバラード」の上位互換の兄弟車「シエラ」が、上半期のベストセラートップ10に食い込む健闘を見せました。
この販売台数はヘビーデューティーモデルに加え、ライトデューティーモデルの「シエラ1500」の合算による数字です。
6位|ジープ「グランドチェロキー」(販売台数13万4369台)
トヨタ「ハイランダー」然(しか)り、ジープのミッドサイズSUVがベストセラーリストのこれほど上位に加わるというのはちょっとした珍事かもしれません。
3列シートの「グランドチェロキーL」、そして2列シートの新型「グランドチェロキー」の2台とも好調で、去年に比べて25パーセント増の数字を叩き出しています。
5位|トヨタ「カムリ」(販売台数13万5925台)
SUVが席巻するこのリストですが、トヨタ「カムリ」はSUVでもピックアップトラックでもありません。前年比24パーセント減となっていますが、それでも多くのSUVを打ち負かし、セダンとしては次点となった「カローラ」をも大差で引き離しての第5位となりました。
4位|トヨタ「RAV4」(販売台数20万885台)
ピックアップトラックを除けばトップセラーが定位置となったトヨタ「RAV4」ですが、その指定席は2022年も安泰です。販売台数9パーセント減となりましたが、同カテゴリーの次点をかなりの大差で引き離し、全体では堂々の4位にランクインしています。
3位|ラム「ピックアップ」(販売台数:24万4983台)
ラムの「ピックアップ」は、ライトデューティー/ヘビーデューティーの各バージョンの合算で、前年比22パーセント減となってしまいました。
シボレー「シルバラード」との銀メダル争いとなった「ピックアップ」ですが、僅差でシボレーの後塵を拝すかたちとなりました。
2位|シボレー「シルバラード」(販売台数25万9516台)
「ラム」を抜いて2位になるべく、2022年にモデルチェンジが行われたライトデューティーのシボレー「シルバラード1500」は、勢いそのまま販売台数を回復しています。この数字は、ヘビーデューティーモデルの販売台数との合算となります。
1位|フォード「Fシリーズ」(販売台数29万9345台)
販売台数17パーセント減でも、ランキングトップの座から陥落しないのがフォード「Fシリーズ」の強さです。ちなみに「F-150」のEV版、「F-150 ライトニング」の販売も開始されています。
Source / CAR AND DRIVER
Translation / Kazuki Kimura
※この翻訳は抄訳です