ルーブル美術館, かんぬき
Photo © RMN-Grand Palais (musée du Louvre) / Michel Urtado / distributed by AMF-DNPartcom
ジャン=オノレ・フラゴナール 《かんぬき》 1777-1778年頃 パリ、ルーヴル美術館

絵画に宿る
「愛」のストーリーを
紐解いていく展覧会

かの有名な「モナ・リザ」をはじめ、所蔵する美術品の数は約48万点というフランス・パリにあるルーヴル美術館。コロナ禍前には年間の入場者数は1000万人超え、まさに世界最高峰の美術館と言っていいでしょう。2018~2019年に東京と大阪で開催された「ルーヴル美術館展 肖像芸術――人は人をどう表現してきたか」では、約70万人が訪れたことからもその人気の高さがうかがえるはずです。

そして2023年、ルーヴル美術館の膨大なコレクションの一部を見られる機会が再びやってきました。そのテーマは、「ルーヴル美術館展 愛を描く」展です。今回は、“ルーヴルには、愛がある。LOUVRE には、LOVE がある。”をキャッチコピーに、東京・国立新美術館と京都・京都市京セラ美術館で開催されます。

「ルーヴル美術館展 愛を描く」展にそろうのは、「愛」をテーマに選りすぐった73点の名画。18 世紀フランス絵画の至宝とされるジャン=オノレ・フラゴナールの《かんぬき(閂)》やフランス新古典主義の傑作とされるフランソワ・ジェラールの《アモルとプシュケ》など、ルーヴル美術館展が誇る西洋絵画が展示されます。

ルーブル美術館所蔵の絵画『アモルの標的』
Photo © RMN-Grand Palais (musée du Louvre) / Gérard Blot / distributed by AMF-DNPartcom
フランソワ・ブーシェ 《アモルの標的》 1758年 パリ、ルーヴル美術館

愛は西洋美術の根幹をなすテーマの一つとされていますが、16世紀から19世紀半ばにヨーロッパ各国の主要画家によって描かれた作品を観ていくと、愛の概念が実にさまざまな形で表現されてきたことがうかがえます。

例えば、欲望に突き動かされる神々や人間を描いた神話画、親子愛が描き出されるキリスト教の絵画、そして人間の日常生活をとらえた風俗画には人間味あふれる愛の様相が描かれています。また18世紀末頃からの新古典主義絵画の中には破壊的な愛のテーマが見られ、悲劇の愛がドラマティックに描き出されているのです。

ルーブル美術館所蔵の絵画『ダンテとウェルギリウスの前に現れたフランチェスカ・ダ・リミニとパオロ・マラテスタの亡霊』
Photo © RMN-Grand Palais (musée du Louvre) / Michel Urtado / distributed by AMF-DNPartcom
アリ・シェフェール 《ダンテとウェルギリウスの前に現れたフランチェスカ・ダ・リミニとパオロ・マラテスタの亡霊》 1855年 パリ、ルーヴル美術館

こうした西洋絵画を通じて、愛の表現を紐解いていこうというのが今回の展覧会の趣向です。案内人を務めるのは女優の満島ひかりさんで、声優の森川智之さんとともに音声ガイドも担当されます。

名画に描かれた愛のストーリーからは、きっと新たな発見や出合いもあることでしょう。貴重な機会にぜひ足を運んでみてください。

「ルーヴル美術館展 愛を描く」概要

観覧料:一般2100円、大学生1400円、高校生1000円、中学生以下は無料
※障害者手帳をご持参の方(付添の方1名含む)は入場無料
※2023年3月18日(土)~ 31日(金)は高校生無料観覧日(要学生証提示)

チケット取り扱い:ルーヴル美術館展オンラインチケット(イーティックス)、日テレゼロチケ、ローソンチケット、セブンチケット、国立新美術館(当日券のみ)
※混雑緩和のため、事前予約制(日時指定券)を導入
購入はこちらから

◇東京展
会期:2023年3月1日(水)~6月12日(月)
会場:国立新美術館 企画展示室1E
住所:東京都港区六本木7-22-2 

◇京都展
会期:2023年6月27日(火)~9月24日(日)
会場:京都市京セラ美術館
住所:京都市左京区岡崎円勝寺町124

●お問い合わせ先
TEL 050-5541-8600(ハローダイヤル)
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