バイデン次期大統領選出に、
歓声わきあがるニューヨーク

 その瞬間、外で大きな歓声があがった。車がクラクションを鳴らしている。拍手が響き、歓声があがる。窓をあけると、多くの人々が拍手をしていた。ニューヨークの街が歓びにわいていた。

thousand show up for a part in the streets at times square to celebrate president elect joe biden and vice president kamala harris in times square
Kirk McKoy//Getty Images
2020年11月7日ニューヨークのタイムズスクエアでは、ジョー・バイデン大統領とカマラ・ハリス副大統領を祝うために、即席のストリートパーティーが始まった。中にはダンスする者も…。

 11月7日、昼前にバイデン候補が次期大統領として選出されたと報じられた瞬間だ。バイデン候補が激戦のペンシルバニア州で勝ちぬいて、20人の選挙人を得て、大統領戦に勝つのに必要な273人に達成したのだ。

 ニューヨークの各地区では早速バイデン勝利を祝う集会が開かれ、タイムズスクエアやワシントンスクエアなどの広場に人々が集まった。

 筆者が見たのはコロンバスサークルでのパレード。あたかもベルリンの壁が壊れたときのような、パリがナチスから解放されたときのような高揚感にあふれていた。

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2020 Election: Reactions to Joe Biden's Win | TIME
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 現時点(12月1日付)で、バイデン氏は80,946,426票と、アメリカ史上最高数を勝ちえた候補となる。一方、トランプ大統領も74,079,264票を獲得して、これは2008年時にオバマ大統領が得た票よりも多い。それだけアメリカ国民が、本気の選挙としてぶつかった天下分け目の戦いとなったことは間違いない。

 ニューヨークはもともと民主党基盤の州ではあるが、コロナ禍が吹き荒れた3月に、連邦政府の助けがあまりにも少なかったという恨みもあるのは確かだろう。クオモ州知事が指示するロックダウンでサバイバル化したニューヨーカーにとっては、科学を信じないトランプ大統領はあまりに現実と乖離して見えた。

 バイデン氏勝利を祝うニューヨークの市民たちは晴々としたようすで、

「デモクラシーを守れ」

「白人ナショナリズムの撤廃」

…といった横断幕をかかげた人たちが歩いている。

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president elect joe biden's event site nov 7, 2020,
Carolyn Cole//Getty Images
2020年11月7日、次期大統領に当選確実となったバイデン氏は副大統領候補のカマラ・ハリス氏と共に、デラウェ州ウィルミントンのチェイスセンターで勝利宣言を行いました。そこでハリス氏の服装は、"サフラジェット"へのオマージュかのように白のスーツスタイルでした。

 また白いロングドレスの女性たちが少なからずいたのだが、この装いはサフラジェット(19世紀末から20世紀初頭にかけて、「参政権<英語: Suffrage>」を女性にも与えるよう主張する女性団体)にオマージュを捧げたものだ。かつてサフラジェットたちが白を純潔無垢のシンボルとして着ていたことに由来する。

 そしてLGBTQのシンボルであるレインボーの旗が驚くほど多くはためいていた。LGBTQやフェミニスト、銃規制派など、この4年間で抑圧を感じていた層にとっては、まさに解放感に満ちた日になったと言える。

 同日夜には、バイデン氏が地元デラウェア州ウィルミントンで勝利を宣言した。

「いまアメリカは団結する時であり、癒される時なのです。私は分断ではなく団結させる大統領になると誓います。レッドステーツ(共和党の赤い州)やブルーステーツ(民主党の青い州)ではなくて、ユナイテッドステーツを見る大統領に」と、団結を強調する。

 続いてカマラ・ハリス次期副大統領もスピーチを行ったが、サフラジェットを思わせるホワイトのパンツスーツが印象的だった。

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Joe Biden and Kamala Harris Full Victory Speeches | WSJ
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 「私は最初の女性副大統領になるかもしれませんが、私が最後ではありません。今夜これを見ている少女たちが、可能性の国を見るからです」と語ったくだりは、名フレーズとして報じられた。ハリス氏による初の女性副大統領、それも黒人であり、アジア系である人物が就いたという、大きな歴史の一ページが開かれた。

 12月頭時点では、CNNによるとバイデン氏が306選挙人、 トランプ大統領が232選挙人を獲得している。また総得票数で言えば、バイデン氏が600万票以上、トランプ氏を上回っている。

 一方、トランプ大統領のほうは、敗北をすんなりと受けいれるわけもなく、いまだに選挙に不正があったと申し立てている。トランプ陣営の弁護士であるルディ・ジュリアーニ氏は民主党が大都市を狙って、組織的な選挙不正を行ったと主張する会見を開いた。とはいえ、証拠が提出されたわけではない。

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US election: Trump's lawyer Giuliani alleges voter fraud in number of states
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 ペンシルバニア州やジョージア州やウィスコンシン州では、再カウントがされたが、不正は見つかっていない。むしろバイデン氏の得票を増やしたくらいだ。この再カウントの費用のために、トランプ陣営は300万ドルの支払いをウィスコンシン州に対して支払う義務があり、骨折り損となっている。

 さらにFOXニュースでのインタビューでは、トランプ大統領は「FBIと司法省が不正選挙のバイデン勝利に絡んでいる」という驚くべき陰謀説を展開したが、これもまた明確な証拠や根拠なしで語っている。

共和党を支持しながらも、
トランプ氏には
NOを言った投票者たち

 もし不正があったとしたら大統領だけではなく、上院下院すべてを民主党が圧勝しているはずだが、現実にはそうなってはいない。上院は共和党が勝利しているのだ。下院議席数も選挙前とあまり変わらない。

 例えバイデン次期大統領が就任しても、上院を共和党が握っているために、ねじれ国会となり、実際の政策は発動しにくいだろうと予想される。そのために、株価が上がるという現象も起きている。つまり、今回の選挙では共和党支持が減ったのではなく、トランプ大統領についてはNOという人が多かったのだと言える。

 前回は共和党が取ったのに、今回は民主党が取ったのは、ウィスコンシン州、ミシガン州、ペンシルバニア州、アリゾナ州があげられる。選挙戦ごとに共和党支持か変わる、いわゆる「スウィングステート」と呼ばれる州があるが、この兆候は2018年の中間選挙からあらわれてきている。

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若者と有色人種が変えた
選挙の流れ

 では、選挙の明暗をわけたのが何であるのか? NYタイムズの出口調査の結果が興味深いので紹介しよう。まず投票者がトランプ支持か、バイデン支持かについては、ちょうど半々くらいの支持率で拮抗しているのがわかる。支持することで、彼らが大事にしている要因は、トランプ派は「経済」と「犯罪と安全」。一方、バイデン派は「人種の非平等」「コロナのパンデミック」「保険」だ。

 男女別でいうと、男性はトランプ派と、バイデン派がちょうど半分くらいで、女性ではバイデン派がやや多い。トランプ大統領はあの言動で、女性票を逃していると言える。

 またコロナ禍で、経済的に困窮している人たちのほうがバイデン支持で、「まったく経済的に困っていない」と答えた層はトランプ支持だ。世帯収入も年間$99,999以下は、バイデン支持が多く、$100,000以上は、トランプ支持だ。出口調査では、富裕層の方が、バイデン政権による増税を嫌って、トランプ支持していることがわかる。

 ここまでは大まかに有権者たちが、共和党の政策と、民主党の政策を支持する割合が半々くらいだとわかる。ところが明解な差が出たのが「年齢層」と「肌の色」「LGBTQ」なのだ。

 30歳から64歳までの年齢層でいうと、バイデン支持と、トランプ支持はほぼ半々くらいだ。しかしこれが18歳から29歳の層では、60%がバイデン支持となっている。一方、トランプ支持は、65歳以上のお年寄りたちだ。

 全体的に見て、若者はバイデン推し、年寄りはトランプ推しということだ。

 ことに今回が初めての投票だという人の64%がバイデン氏を支持しており、今回の選挙は、2000年代に生まれたZ世代や、その少し上にあたるミレニアル世代の影響が大きいことがわかる。

 人種でも、大きく差が出た。白人層では、大まか半々の支持ながら、ややトランプ支持者の方が多い。一方、有色人種となると、圧倒的にバイデン支持だ。またLGBTQ層も圧倒的にバイデン支持をしている。

 黒人層が今回初めて有権者登録をして、選挙にのぞんだのも大きな差を生んだ。なかでもジョージア州の政治活動家ステイシー・エイブラムス氏の貢献が大きかったといわれている。彼女は2018年中間選挙で、ジョージア州知事を目指して民主党から出馬したものの敗北。そこから草の根運動で、地道に黒人やマイノリティ層に有権者登録をうながし、なんと80万人の有権者登録を支援したという。

 つまり今回の選挙では、人口の60%くらいは両派が拮抗しており、しかしプラスアルファにあたるZ世代や有色人種、LGBTQなどのマイノリティによって大きく差が出たことになる。

大統領予想で毎回
当ててきた教授による、
勝敗を決める13のポイント

 トランプ大統領の負けカードはそれだけではない。実はトランプ大統領が負けることを8月時点で予測していた学者がいる。彼は4年前にトランプ氏が勝利をおさめると予測していて、今回はバイデン氏の勝利を予測していたのだ。

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 アメリカン大学で、アメリカ史を教えるアラン・リクトマン(Allan Lichtman)教授だ。リクトマン教授は、独自の規定を編み出して、1984年から大統領戦でどちらが勝つのかを正確に予測してきた。

 その「ホワイトハウスに至る13のキイ」によると、大統領選を勝ちぬくために必要な13の条件がある。トランプ政権にとって欠けたものは以下の項目だ。

「キイ①2018年の中間選挙で、共和党が下院で議席を減らしている」

「キイ⑤選挙の年における経済が、コロナ禍で悪化」

「キイ⑥長期の経済が、コロナ禍で悪化」

「キイ⑧社会動乱が勃発」

「キイ⑪戦争や外交における大きな成功がなかった」

「キイ⑫トランプ大統領は狭い範囲の層にだけカリスマを持ち、広範囲へのカリスマに欠ける」

 納得できるのが、2018年の中間選挙の影響だ。民主党は、下院での議席数を過半数に増やして奪回、「ブルーウェイブ」とも言われた。

 この中間選挙では資金もなければ議員経験もない、アレキサンドラ・オカシオ≃コルテス氏が現職候補を打ち破って、下院議員として初当選、アメリカ中を驚かせた。さらに初のムスリム女性下院議員や、初の先住民女性下院議員が当選するなど、女性とダイバーシティの躍進が目立った。オカシオ≃コルテス議員を当選させたのは、資金ではなくてSNSだと言われているが、このあたりから若い世代が選挙を左右するようになったと言える。

 経済については、トランプ政権では株価も高く、低い失業率を達成したのだが、コロナ禍による打撃が大きすぎた。

 実は周囲でも昨年の暮れまでは、トランプ大統領が再選するだろうという見方が多かったのだが、それをひっくり返したのが、コロナ禍という災害だ。新型コロナウイルスは、トランプ大統領のせいではない。しかしながら、世界各国が同時に感染爆発したために、各国の指導者たちの力量が問われることになった。

trump departs white house for walter reed medical center after covid 19 diagnosis
Drew Angerer//Getty Images
2020年10月2日、ドナルド・トランプ大統領とメラニア・トランプ大統領夫人はどちらもコロナウイルス陽性となり、治療のためホワイトハウスからウォルターリード国立軍事医療センターへと向かった。

 トランプ政権はトップみずからマスクをしない、コロナはすぐに消えるという根拠のないことを断言する、感染症学の第一人者であるファウチ博士と衝突する、そしてみずから感染するという不手際を犯した。

 またトランプ支持層であるQアノンは、なぜかウイルス流出の原因をビル・ゲイツ氏がファウチ博士と共謀して、人口抑制をするために流行らせたと考えている。ウイルスの原因が中国ではなくて、自国の人間の陰謀だと考えるあたりに、すでに問題はあるのかもしれない。

 アメリカの新型コロナ感染死亡者数は、いまや27万人にのぼる。現時点ではアメリカ、インド、ブラジルの三国が、ずばぬけて死者数を多く出しており、「世界トップの医療」を自負するアメリカにとっては、あまりに恥ずかしい数値だといわざるを得ない。

a demonstrator holding a flag with black lives matter
Probal Rashid//Getty Images
故マーティン・ルーサー・キング・ジュニア氏が1963年8月28日に、リンカーンの奴隷解放宣言100年を記念して企画したワシントン大行進、そしてあの有名なスピーチ"I have a dream"を含む演説を行ってから57周年となる2020年8月28日のワシントンD.C.にあるリンカーン記念堂のリフレクティング・プール周辺の風景。

 そしてロックダウンしたアメリカで起こったのが、「ブラック・ライヴズ・マター」のムーブメントだ。ジョージ・フロイド氏殺害事件をきっかけにして広がったBLMは、学校や仕事がなくなったZ世代の若者によって大きな運動となった。

 Z世代は、次の十年でさらに選挙で大きな勢力になっていくはずだ。新しい潮流は、今回の国会選挙にもあらわれている。

 ニューヨーク州では、ゲイでブラックの民主党下院議員2名が誕生した。ふたりとも片親の貧困家庭で育てられたというバックグランドの持ち主だ。

 またデラウェア州では、トランスジェンダーを公表しているサラ・マックブライト氏(民主党)が上院に当選した。少しずつダイバーシティがある議員が生まれつつある。

 これから増えていくのは、"エコフレンドリー"と"ダイバーシティ"、そして"フェアネス"を求めるZ世代だ。彼らはインスタやTikTokを操って、今までの世代では考えつかなかったような選挙運動を繰り広げる。

 一方、共和党が掲げるのは「小さな政府」「妊娠人口中絶の禁止」「銃規制反対」が大きな柱で、エヴァンジェリスタ派のクリスチャン層を票田にしている。だが、支持層がこれから高年齢化していくなか、新しい世代の掘り起こしをどうするか考えていかなくてはならないだろう。

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女性と多様性が目立つ
バイデン次期政権と、
ゴネにゴネる
トランプ大統領のゆくえは?

 トランプ大統領が敗北宣言をしないまま、政権移行がままならなかったバイデン次期大統領だが、ようやく24日には重要閣僚の候補を発表した。

 国務長官指名されたアントニー・ブリンケン(Antony Blinken)氏は、バラク・オバマ政権での重鎮であり、西側同盟国との関係を再強化する外交になると考えられる。また、特筆すべき新しいポジションとして、気候変動問題を担当する特使にジョン・ケリー(John Kerry)元国務長官が指名された。

 ケリー氏といえば、地球温暖化対策のパリ協定にサインした人物でもあり、トランプ政権で離脱したパリ協定に、再び戻ることになるはずだ。

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 国家情報長官には、初の女性であるアヴリル・ヘインズ(Avril Haines)氏が指名され、国土安全保障長官には、アレハンドロ・マヨルカス(Alejandro Mayorkas)氏が初のラティーノ(中南米系)として指名されるなど、女性やマイノリティの多様性を盛りこんだ人事になっている。

 財務長官には、米連邦準備制度理事会(FRB)のジャネット・イエレン(Janet Yellen)前議長が、初の女性として登用される見込みだ。

 また大統領報道官に、ジェン・サキ(Jennifer Rene "Jen" Psaki)氏を指名して、7人の広報チームの中枢幹部はすべて女性を起用することになった。その陣営をみると、バイデン政権は多国間主義、気候変動対策、ダイバーシティとインクルーシヴを打ち出した政権になりそうだ。

 トランプ大統領もしぶしぶ「12月14日の選挙人投票でバイデン氏が勝利すれば、自分はホワイトハウスを出る」とは言い出しているものの、それでも「敗北を認めない」のがトランプ流だ。

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トランプ氏、選挙人団がバイデン氏選べば「ホワイトハウスを去る」
トランプ氏、選挙人団がバイデン氏選べば「ホワイトハウスを去る」 thumnail
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 なにしろ7,400万票を集めたのは、たいへんな数であって、いまだに熱烈なトランプ支持者たちは民主党の不正を叫んでいる。バイデン新大統領が就任しても、この溝は埋まらないだろう。

 さらに現在トランプ大統領が計画しているのが、来年1月に控えている大統領就任式には出席せずに、同日に自分が2024年の大統領戦に出馬する宣言イベントをするというもの。実施すればたいへん無礼な行為ではあるのだが、あくまでトランプ節をつらぬくらしい。

republicans hold virtual 2020 national convention
Alex Wong//Getty Images
2020年8月27日ワシントンD.C.ホワイトハウスのサウスローンにて、(写真向かって左から)ドナルド・トランプ・ジュニアとエリック・トランプ。その視線の先には、共和党大統領指名の受け入れのスピーチの準備をするドナルド・トランプ米大統領がいます。

 もっとも4年後には、息子のドナルド・トランプ・ジュニアかエリック・トランプが出馬するという下馬評すらある。もはや何があってもおかしくはない。

 アメリカでは11月27日に、過去最大の新型コロナ感染者数19万9000人を叩きだした。ホリデーシーズンで、感染が爆発するとみられていて、来年1月に感染被害が最大になるだろうと予測されている。医療崩壊や失業者が溢れる危機に加えて、果たして大統領就任がスムーズにいくのかどうか。

 まだトランプ劇場と、アメリカの揺れる状況から目が離せなさそうだ。


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写真提供:黒部エリ

黒部エリ
Ellie Kurobe-Rozie

東京都出身。早稲田大学第一文学部卒業後、ライターとして活動開始。「Hot-Dog-Express」で「アッシー」などの流行語ブームをつくり、講談社X文庫では青山えりか名義でジュニア小説を30冊上梓。94年にNYに移住、日本の女性誌やサイトでNY情報を発信し続けている。著書に『生にゅー! 生で伝えるニューヨーク通信』など。