「H&M」の毎年恒例のデザイナーコラボレーションが、再びやってきました。有名なデザイナーやファッションハウスと共同で行うコラボコレクションは、例年では11月頃に販売されていましたが、2020年-21年秋冬シーズンはコロナ禍で発売時期がずれることに。そして4カ月のブランクを経て、このたび発売することが発表されました。
今回、「H&M」が新たにコラボレーションに選んだのは、ファッションデザイナーのSimone Rocha(シモーネ・ロシャ)。「Simone Rocha x H&M」コレクションには「Simone Rocha」のシグニチャーであるウィメンズウェアをはじめ、「Simone Rocha」初となるメンズウェア、キッズウェアのコレクションも展開します。
このコレクションは限定店舗および、公式オンラインストアにて2021年3月11日(木)より発売予定です。
あなたがシモーネ・ロシャの名前を知らなかったとしても、恥ずかしいことではありません。前述した通り、彼女はこれまで自身の名を冠したファッションレーベルで服をつくってきた10年間、男性服をデザインしたことはありませんでした。
彼女のブランドの服は、典型的な英国の花柄、フェミニンなシルエット、フリルやその他の装飾的なトリミングが施された、柔らかい素材でつくられることで知られています。しかし、これまでのコラボコレクションと同様に、「H&M」とのコラボコレクションにはメンズとキッズのコレクションも製作することが前提条件にあります。それに応えるカタチで、彼女は自身のやり方でメンズ&キッズも上手に仕上げています。
メンズコレクションにはトレンチコートや分厚いニットセーター、シャツなどのクラシックな作品が登場しますが、それらには特徴的なアクセントが施されています。例えばトレンチコートの襟には、パール(真珠)調の装飾が襟元に沿うよう縫いつけられています。また、パール調ビーズによってリボンのカタチに仕上げられたブローチが添えられています。
ロシャは服装史をたどり、触発されています。今日、「パールの装飾と言えば女性のもの」といった固定概念がありますが、かつては紳士たちの間でも愛されていました。このパールを再び、メンズファッションに取り戻そうと試みたわけです。
昨今、このパールブームはハリー・スタイルズやエイサップ・ロッキーのようなセレブを筆頭に注目されつつあります。ジェンダーフリーが謳(うた)われる2021年、あのアイテムが女性でこのアイテムは男性…または、あの素材は女性ものでこの素材は男性もの…という概念そのものが、過去の価値観だというわけです。
実際、メンズファッションに新たな選択肢が増える(もしくは戻ってくる)ということになるのですから、喜ばしいニュースだと思いませんか? それともあなたは、まだ受け入れられませんか?
Source /ESQUIRE NL