「実在しているか?は関係なく、誰か一人と一緒に夕食を食べられるとしたら誰と共にしたいですか?」という質問が投げられたら、あなたは誰にしますか?
そんな質問をブルックリンにあるレストラン「リリア」のオーナーシェフであるミッシィ・ロビンズさんにしたら、黙り込んでしまうでしょう。きっと皆さんも同様ですね。これは容易に答えが出るような問題ではありません…。
そして実際、ロビンズさんにうかがってみると…。
しばらく考えたのち、「面白い人たちがとてもたくさんいるので困る…」と抗議にも近い口調で言われてしまいました。しかしながら続けて、こう話してくれました。
「ただ、『祖母のためなら喜んで料理をつくるわ』って、いつも私は言っています。祖母は私がこの仕事に就く前に亡くなったので…。そして私がシカゴにいた若かりしころ、彼女は私をいつも食事に連れ出してくれたのです」と、ロビンズさんは話しました。
ロビンズさんは2018年7月に、ニューヨーク市内にあるザ・ノマド・ホテルの屋上で開かれた夏のディナーパーティーのため、一流のシェフたちによる特別なコラボに参加しました。そこでロビンズさんがこのディナーのためにつくったのがこちら、「リコッタ・ニョッキ」だったのです。
「リコッタ・ニョッキ」が夏のパーティーに最適な一品である理由について、ロビンズさんは次の3つをあげています。
「この料理は、①肩肘の張らない気軽な雰囲気ながら、デリケートな味わいが生み出せる。②大勢の人たちへサーブ可能なほど、時間がたっても美味しさにあまり変化がない。③そして何よりも、つくるのが簡単なのです」とのこと。これはまさに、大人数で食事を楽しむときに誰もが望むメニューではないでしょうか。
「私はこれまでの人生で、数多くのパーティーを開いてきました。なので、もはやチャンレンジはしません」と、彼女は笑いながら語ってくれました。そんなシンプルさの追求から生まれた一品がこの「リコッタ・ニョッキ」なのです。そう、誰もが笑顔とともに、もう一度食べたくなるような香りにあふれた料理なのです。
分量:4人分
準備にかかる時間:1時間
調理時間:15分
合計所要時間:1時間15分
材料
リコッタ・ニョッキ(リコッタ・ダンプリング)
- リコッタ 1と4分の1カップ
- 卵 2個
- おろしたパルメザンチーズ(パルミジャーノ・レジャーノ) 1カップ
- セモリナ粉 3分の1カップ
- 小麦粉 4分の3カップ
- コーシャーソルト(自然塩)
30クローブのパスタソース(6カップ分)
- オリーブオイル 1カップ
- ガーリック・クローブ(ニンニクの茎) 30個
- 缶入りトマト 3缶
- 砕いたレッドチリ 小さじ1/2
- スプリング・バジル 3枚
- コーシャーソルト(自然塩) 小さじ1と1/2
リコッタ・ニョッキのつくり方
- リコッタ、卵、パルメザンチーズを大きなボウルの中に入れ、よく混じり合うまでかき混ぜます。
- 別のボウルで、セモリナ粉と小麦粉を混ぜます。
- 小麦粉のボウルに水気を帯びた材料を少しずつゆっくりと加え、よく混じるまで優しく折り込みます。(※この際に生地をこねすぎると棒餃子のようなカタチになってしまうので混ぜすぎ注意です。)
- 生地を冷蔵庫に入れて1時間おく(こうすることで生地が伸ばしやすくなります)。
- 軽く小麦粉をまいた作業台の上で、ちぎった少量の生地をそっと丸めて、直径約1.5cm程度のひも状に伸ばします。生地が手にくっつきやすい場合は、振りかける小麦粉を多めにすると良いです。ただし、多すぎると軽い綿毛のような間食が損なわれるので注意してください。
- 全部の生地を丸め終わったら、2~3cmの長さに切りそろえます。
- 木製のニョッキ・ボードもしくはフォークの裏側を使って、切った生地に筋目を入れます。全部のニョッキのカタチをつくってください。
- 大きめの鍋でお湯を沸かし、沸騰したら多めに塩を加えます(海水のような味がする程度)
- ニョッキをお湯に入れて茹でます。ニョッキがお湯の表面に浮かんでから20〜30秒後に取り出します。
- すぐに使わない場合は、軽くオイルをひいたトレイの上にニョッキを平らに並べ、冷蔵庫に入れて冷やします。
パスタのつくり方はこちらの動画からも確認できます:
30クローブのパスタソースのつくり方
- 大きく、ずっしりとしたフライパンを使って、オリーブオイルを温めます。このとき、火加減は中火に。ガーリックを加え、黄金色に透き通るまで熱します。
- ガーリックを炒める間に、小さなボウルにトマト缶の水分を空けます。このトマト缶の出汁は捨てないこと。手でトマトを絞り、砕きます。
- フライパンの中のガーリック・クローブの半分を、フォークの背で砕いていきます。砕いたトマト、フェンネル(ウイキョウ)の種、チリ粉を入れてかき混ぜた後フライパンを火にかけ、時々かき回しながら香りが混じり合い、ソースがやや煮詰まるまで約45分間温め続けます。
- バジルと塩を加え、5分間温める。そのあとでバジルを取り出します。味見をし、必要であれば調味料を調整しましょう。
ソースについて
「ガーリックの数を正確に数えるのが面倒であれば、通常では信じられないと思われるほどのガーリックを使ってみてください」と、ロビンズさんは最後にアドバイスしてくれました。
※このレシピは、ミッシィ・ロビンズ著『Missy Robbins / Breakfast, Lunch, Dinner...Life! Recipes and Adventures from My Home Kitchen』(Carrie King/Rizzoli Publishing刊行)より引用したものです。
Source / ESQUIRE US
Translation / Hayashi Sakawa
※この翻訳は抄訳です。