筆者である私ザッカリー・ゼイン(Zachary Zane)は、セックスライターであり倫理的な男娼(多くの人と寝ることをユニークに表現したもので、私はそれをオープンにしている)でもあります。

私は長年、あらゆるジェンダーや性的志向の人々とデートをし、ベッドを共にもしました。そうして、多くの性的経験を共有してきたのです。その経験を通じて、寝室(はっきり言ってほかにもいろいろな場所がありましたが…)でのナビゲートについていくつか学んだことがあります。

instagramView full post on Instagram

ここでは、皆さんのセックスに関する差し迫った質問についてお答えしようと思いますす。それは「パートナーとコミュニケーションをとりましょう」といったようなものではなく、「完璧で実用的なアドバイス」にしたいと思っています。

前者に関しては、皆さん先刻ご承知のはずですからね。なので、なんでもお尋ねください。文字どおり、なんでもけっこうです。喜んでご説明いたしましょう。今後のコラムへのご質問は、こちらの書式に記入してご投稿ください。


本記事は、「メンズヘルス」US版のインスタグラムに投稿した「Sexplain It Live」の内容を編集したものです。私ザッカリー・ゼインのほか、『Overthinking About You: Navigating Romantic Relationships When You Have Anxiety, OCD, And/Or Depression』の著者アリスン・ラスキンさんにも参加していただきました。

それではここで、集まった数ある質問の中からひとつだけ選ばさせていただき、その悩みにお答えいたします。

ポリアモリー とは,複数恋愛主義者,恋愛相談,polyamorous,

Q. 私(相談者)はしばらく間 Polyamory(ポリアモリー=複数のパートナーと双方同意の上で親密な関係を持つこと)であったので、私にも私のボーイフレンドにも、他には真剣なパートナーというものが存在していませんでした。ですが最近、私のそのボーイフレンドに、別のボーイフレンドができたのです。そこで自分は、「嫉妬するだろうな」とはわかっていましたが、そのボーイフレンドがその男とデートするたびに自分が泣くとは、思ってもいませんでした。

私はそのボーイフレンドを応援しています。彼がほかの男性と付き合ってハッピーになってほしいとも思っています。ですが自分のこの感情を抑え、このような嫉妬や悲しみも感じないようになるには、どうすればいいでしょうか?

アリスン・ラスキンさん(以下AR):私がいちばん難しいと思ったのがこの質問だったので、ここで取り上げさせていただきます。私は「ポリアモリー」ではありませんので難しい問題だということはわかるのですが、ゼインに訊きたいのはポリアモリーとしてやっていくと、常にこんなに嫌な気分を味わうのでは? とうこと。もしかしたら、「このライフスタイルは、自分に合っていないんじゃないか!?」なんて感じたりしないのかと。

ザッカリー・ゼイン(以下ZZ):なるほど、それはいい質問ですね。でもその前に、まず先に言わせてください。この相談者のパートナーが、別のボーイフレンドを持つまでに至った経緯が非常に興味深いですね!

この相談者が、そのボーイフレンドに会うたびに泣いてしまうといった状態までに至ってしまう経緯に非常に戸惑いを感じますね。自分を悲しませるようなボーイフレンドを、この相談者は彼氏にしているのですから。そこに至る前に、何かがあったにちがいありませんね。それが非常に気になりますが、それはさておき、質問に答えなくてはですね。

「ポリアモリー」であることは、自分の手に負えるものなのか? それとも、自分には向いていないものなのか?――このバランスを見つけるのは、とても難しいことです。それに答えるためにも、相談者たちの関係についてもっとよく知る必要もありますし。この二人は、きちんとコミュニケーションがとれているのでしょうか? そのボーイフレンドは、この相談者が影で泣いていることを認識しているのでしょうか? もしかして、この相談者はそのボーイフレンドを応援したいことのほうが優先して、実は目の前では全然気にしていないふりをしているのはないでしょうか?

AR:それは言えるかもしれません!

ZZ:そうです。まだお二人が、この状況の問題点に関して話し合っていないのだとしたら、例えば「私はあなたを愛しているし、他のボーイフレンドを持っていいとも思ってる。その邪魔もしたくはないんだけれど、今とても苦しんでいる。嫉妬していて、不安を感じている」と、伝えてみればいいと思いますよ。

そこで話がうまく運べば、相談者にとって今のような気分が落ち着くような何らかの方策が浮上するかもしれません。そうしたら、次にそれをそのボーイフレンドに伝えればいいって思いますね。

私が初めてポリアモリーになったとき、パートナーと次のようなルールを設けました。彼がデートから帰ってきたら、「今まで会った中で、私がいちばん美しくてセクシーな男だ」というような言葉を必ず私に言うことを約束したのです。

これはほんの些細なことで、つまらないことのように思えるかもしれません。ですが実際には、その効果はてき面でした。ですのでこの相談者は、そのボーイフレンドが自分を認め肯定してくれる方法を探せばいいって思いますね。アリスン、あなたはどう思いますか?

AR:そうですね、「ポリアモリーであること」が自分の求めるライフスタイルだと決めているのですから、「パートナーが別のボーイフレンドと出かける」という行為は自分のライフスタイルの中でどんな文脈で展開するものなのか?を、自分なりに解釈し直せばいいんじゃないでしょうか。そう思いませんか?

例えば、自分のボーイフレンド別の彼氏と出かける理由を、「彼氏は自分よりいい人を見つけたからだ」とか、「彼氏は自分に満足していないからだ」というようにあなたが推測するのであれば、そのときは認知再構成法(※)が役に立つはずです。

※物事を不安に感じるなどネガティブな感情に関連する認知(自動思考)の内容を、より現実に沿った方向へと修正する治療法

もしかしてあなたは、この状況がより苦痛に感じられるような悪い考え方をしていませんか? 違う考え方をすれば、もっと楽になるはずですよ。

ZZ:そしてこの相談者は、「実際にポリアモリーであることは、自分たちにふさわしいことなにか?」をここで深く再考すべきですね! これは(ヘテロセクシュアル<異性愛者>、シスジェンダー<生まれたときの性と自身の性自認が一致している>以外のすべての性的マイノリティとされる言葉)「クィア」の男性からよく耳にすることでもありますね。オープンな関係を持ちたいとは思っていない人がいて、そのパートナーのほうはそれを望んでいるというような場合に…。

彼らはしばしば、(嫉妬を抱く)自分のことを子どもっぽいと感じています。自分が不安を抱くこと、そして嫉妬心が邪魔になっていることを憎んでいるのです。できる限り、オープンであることを肯定できる自分でいなくてはと感じているのです。

一般的には、不安や嫉妬心は自分自身でどうにかするべきものです。そのような感情を寄せつけないようにするため、一夫一婦制(モノガミー)という枠組みもあります。ですが、必ずしてもそれに頼る必要もありません。ですが倫理的にも、一夫一婦制であることを望むことは、なんら問題はないことなのです。それは忘れぬように。あなたが愛する人に対して、「ほかの人を愛したり、ほかの人とセックスしないでほしい」といった感情は抱くことは当たり前のこととも言えるのです。なので、それ自体を悩む必要はありません。

AR:俯瞰して見れば、非モノガミーのほうが大きな傘で、その下にポリアモリーがあるわけですから。この相談者は、「パートナーが他の人と仲が良いとか、カジュアルな関係にあるくらいだったらまだ大丈夫」といった感情に苛まれているかもしれません。そうです、実際にパートナーがほかの人と本格的な関係になったら、心は破綻するかもしれませんね。

そこであなたが持つべきものはおそらく、さまざまの状況における「境界線」じゃないかって思いますね。

ZZ:ここまで来てしまったのは、とても残念なことです。あなたとしてはパートナーに、「どちらかひとりを選べ」と言って最後の選択を迫りたくはないのでしょう。

でもそこで、あなたが苦しんでいることを相手に伝えるのは、フェアなことです。これの状況は、あなたにとっても持続可能な状態ではありませんので

もし彼が、「自分は完全にポリアモリーである」と言うのであれば――そうなったらもう交渉決裂です――彼は複数の人を同時に愛する必要があるわけで、「それぞれ別の道を歩むときが来た」ということになるわけです。その時点で、ふたりは相性が悪いというふうに判断するのです

AR:そう、それでいいんですよ! ときどき、「自分たちなら問題をうまく処理できる」とか、「ある事柄が自分たちにふさわしい」と考えることがあります。でも、いざそれを経験してみると、実は合っていなかったり…。また、自分たちが変ってしまったことに気づいたりします。それでいいんです!

自分自身と正面から向き合って、こう問いかけてみることが必要です。

「このとてつもなく不快なことを続けていくだけの価値が、このライフスタイルにあるのだろうか?」ってね。あるいは、「もしかしてこれは、自分を本当にハッピーにしてくれるものではないのではないか?」と…。

Source / Men’s Health US
Translation / Satoru Imada
※この翻訳は抄訳です。