コーヒーと言えば、昔から朝の眠気覚ましとして頼りにされてきましたが、カフェインがもたらす覚醒効果はジムでのエクササイズにも効果的なのでしょうか?

この疑問への答えは…、一部の人にとって強く「イエス」と言えます。

サプリメントストアには、ワークアウト前に心拍数を高めてくれる「プレワークアウトパウダー」(BBC=分岐鎖アミノ酸など、ワークアウト前に飲むと効果的なサプリメント)のような商品がたくさん並んでいることでしょう。ですが、1杯のコーヒーからもこのような商品と同様のメリットを得ることができるようです。

コーヒーがワークアウト前の飲み物として効果的な理由

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トレーナーやアスリートたちがワークアウト前のサプリメント飲料としてコーヒーに頼るのは、この飲み物に“ある有効成分”が含まれるためです。その有効成分とは、もちろん「カフェイン」のこと。

この刺激物質は、運動パフォーマンスを効果的に高めることが研究発表されており、米国『ラン・フォール・ニュートリション』社の栄養学者であるミーガン・メドラーノ氏によれば、「カフェインは、5〜20分の激しい運動時のパフォーマンスを改善してくれる」と言います。ただし、この効果があるのは何らかの食べ物と一緒にカフェインを摂取した場合のみに限られるそうです。

メドラーノ氏は続けて、「人間の身体はワークアウト中に力を発揮するために十分な量の炭水化物や脂質、タンパク質も必要なんです。ワークアウト前の栄養補給としてコーヒーを加えたい場合、通常の食事や軽食の代わりではなく、これらに加えてコーヒーを摂取するようにしてください」と語っています。

そして、認定トレーナーでスタントマン、曲芸師でもあるブレナン・メジア氏も、ワークアウト前に弾みをつけたいときにはコーヒーを摂取するそうです。

メジア氏によれば、カフェインにはエネルギーレベルの向上から遊離脂肪酸の放出までと、さまざまなメリットが期待できると言います。ですが、彼がコーヒーを飲む最大の理由は、この飲料に不要なものが含まれていないからだそうなのです。

ミルクと砂糖を加えることもありますが、1杯のコーヒーには基本的に無駄な成分がほとんど含まれていません。ですが、多くのプレワークアウトサプリメントの場合はそうとも言れません。なかには、信頼できない成分が含まれていることもあると言います。

「コーヒーには、多くのプレワークアウトサプリに含まれるβアラニンやクレアチンなどの成分は含まれていないかもしれません。ですが、コーヒーは「FDA(米食品医薬品局)」が規制しており、どんな成分を摂取しているかちゃんとわかるようになっていますから…」と、メジア氏は言います。

コーヒーを飲むべきタイミングは運動前か、運動後?

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ワークアウト前のサプリメントとしてコーヒーを有効活用したい場合には、「毎朝コーヒーを飲んでいるから大丈夫」というわけにはいきません。これもタイミングが重要となります。

コーヒーは飲んで数秒で覚醒が始まるように感じるかもしれませんが、この時点ではカフェインの影響が身体全体に広がっているとは言えないのです。コーヒーで身体が活性化するのはカフェインが血中に広がっていくためで、カフェインの半減期(カフェインの血中濃度が半分になるまでの時間)は5〜6時間です。ですから、この成分が刺激作用を与えるのはこの間になるのです。

では、カフェインの影響が最も効果を発揮するピークはいつなのでしょうか?

また、カフェインの効果で身体が最大のパフォーマンスを発揮できるのは、どのタイミングで摂取すべきなのでしょうか?

「飲み終えてから、その効果の持続時間はそれほど長くはない」、というのがこの答えになります。具体的には、カフェインが一番効いているときにジムに行きたいなら、「ワークアウトの約45分前にコーヒーを飲み終える」というタイミングがおすすめです。

複数の研究によれば、カフェインの効果がもっとも大きくなるのは飲み終えてから45分後ということ。45分を超えると、身体はカフェインを分解し始めます。つまりは、その作用は低下していくのです。ですので、コーヒーを飲み終えてから45分後ごろにウェイトトレーニングを行えば、分解される前のカフェインの効果を最大限に引き出すことができるというわけです。

ちなみにカフェインの摂取量自体には、ピーク時間には影響しません。

スターバックスの通常サイズのコーヒーであれ、カフェイン含有量の多い「デス・ウィッシュ」(約350mlに728mg)や「カフェイン&キロス」(通常のコーヒーよりカフェインが50%多い)のようなコーヒーであれ、血中カフェイン濃度がピークは飲み終えておよそ45分後に訪れるのは同じなのです。

ただし、米国ミネソタ州ロチェスター市に本部を置く総合病院「メイヨークリニック」が推奨するように、1日のカフェイン摂取量は400mgを越えないよう注意しましょう。これはホットコーヒー4杯分に含まれる量になります。というわけで、プレワークアウトとしてのコーヒーが5杯目でないのであれば、そのコーヒーを摂っても問題ないでしょう。

Source / Men's Health US
※この翻訳は抄訳です。