連邦政府が閉鎖されているとき、トランプ大統領は何をしているのでしょうか?

ホワイトハウスには、ハリー・トルーマン時代につくられたボウリング場もありますが、シークレットサービスたちがテニス肘ならぬボウリング肘になってしまうと大変ですので、熱中してプレイすることはできないでしょう。

そんな折、ドナルド・トランプ氏は良い気晴らしを見つけたようです。それは…ホワイトハウスのツアーガイドです。

「ワシントン・ポスト」紙によれば、米国政府が35日間閉鎖されていた期間のトランプ氏は、ホワイトハウスのツアーガイドをして時間を潰していたと言います。米国の権力の座の歴史にしっかりと敬意を払いながら、他の大統領たちをバッシングし、デタラメを吹き込むことも忘れてはいませんでした。

◇ホワイトハウスの西棟「ウエストウイング」の秘密

あるテレビキャスターを案内したときにトランプ氏は、ホワイトハウスの一室を身ぶりで指し示し、「教えてもらったんだが、実はここはビル(・クリントン)とモニカ(・ルインスキー)が...」とまで言って、不思議な表情をつくったそうです。また、職員たちによれば、この話題に関して触れていた時間は長かったらしく、ときには下品とも言える内容にもなったと言っています。

「大統領はゲストに対し、『自分がウエストウイング(ホワイトハウスの西棟)に初めて来たとき、大統領執務室の外にある私的なダイニングルームがひどい状態だった。壁にが穴が空いていた』というような、根も葉もない話もしていたということ。バラク・オバマ前大統領が、この穴にテレビを置いてスポーツを見るために使っていた」とも言っていたことを、ホワイトハウス職員は明かしています。

これはpollの内容です。詳細はそちらでご確認いただけます。

トランプ氏は「オバマはここに座って、1日中バスケットボールを観ていたんだ」と、あるグループに語ったとも言います。

オバマ前大統領のスタッフによれば、その壁に穴などはなく、オバマ氏はあの部屋でスポーツを観ることも決してなかったとのことですが...。にもかかわらずトランプ氏は、このグループに「オバマが取り付けた小さなテレビを自分が大型のものにアップグレードした」と言っていたようです。

他にもトランプ氏は、ルイジアナ買収や権利章典、ゲティスバーグ演説などに関連する所蔵品を見せびらかしたり、米国の歴代大統領についての自らの意見を語ることも楽しんでいたと言います。例えば、トランプ氏はネイティブアメリカンを強制移住させ、奴隷農場主でもあったアンドリュー・ジャクソンについてはいい大統領だったと考えているようで、一方、南北戦争時に北軍の将軍であったユリシーズ・S・グラントについては、あまり好きではなかったようです。

ちなみにトランプ氏によれば、ツアーグループの中には大統領執務室を案内され涙を流した人もいたと言います。おそらくは畏怖や尊敬の念、彼の語るデタラメへのアレルギー反応が入り混じって圧倒されたのでしょう。

トランプ氏の行動は、最近の大統領と比べてもかなり異常です。オバマ氏の場合、一部の親しい友人にはホワイトハウスを案内していたようですが、ジョージ・W・ブッシュ氏については、ほぼ案内することはありませんでした。なので、トランプ氏はまったく違うわけです。

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大統領に関する歴史研究家のダグラス・ブリンクリー氏は、「彼はじっとしていられず、デスクワークが好きではありませんので…」と語っています。また、「座り込んで仕事をするよりも、歩き回って人々にデタラメを話しているほうが好きなんですね」と、ブランクリー氏は重ねてコメントしました。

連邦政府が閉鎖されているときに、トランプ氏がホワイトハウスツアーの案内人を務めたことで、ツアー客に限って彼に対するイメージが少し変わったのかもしれません。例えその内容がデタラメであっても…。

Source / Esquire UK 
Translation / Wataru Nakamura 
※この翻訳は抄訳です。