「何も求めていない。何も求めていない。見返りは求めていない。ゼレンスキー(ウクライナ大統領)には、『正しいことをするのだ』と言ったまで」-これは、ドナルド・トランプ大統領が記者会見で持参したメモの文言です。

記者会見は2019年11月20日、弾劾調査の公聴会が開かれている中で行われました。この言葉は、公聴会で証言したゴードン・ソンドランド駐欧州連合(EU)大使の証言に言及しているように見えます。ソンドランド氏が「見返り」はあり、「トランプ氏が直接指示した」と証言したにもかかわらず、自分の無罪を主張するような文面になっています。

ソンドランド氏は、「ゼレンスキー氏が2016年の問題(民主党全国委員会のコンピューターが、大統領選期間中にハッキング攻撃を受けたとされる)と、オバマ政権時のバイデン元副大統領氏親子についての捜査に着手することを発表するまで、ホワイトハウスでの会談は保留にしました」と証言しました。

ソンドランド氏はまた、あくまでも自身の想定と認めながらも、この状況において軍事援助の停止以外の理由は見当たらないと述べています。

トランプ氏は報道陣に対する、釈明の必要性にかられたのでしょうか。普段なら、即興のように口から出まかせを言えるところですが…。

ドナルド・トランプ、トランプ、ウクライナ問題、ゼリンスキー、メモ、記者会見、ニュース、政治
Getty Images
トランプ氏のメモに「ZELLINSKYに言いました…」と明記されていますが、正しくは「ZELENSKY」です。

問題は、なぜ彼ほどの素晴らしい頭脳が「何も求めていない」などという簡単なフレーズをメモする必要があったのか? ということです。理由は何であれ、メモはいつもと変わらず、巨大なサインペン書きの文字で書かれていたので本人の手書きであることは明らかです。

また、本人の手書きである証拠はもう一つありました。それは、ゼレンスキー氏の名前が「ZELLINSKY」(本当の綴りはZELENSKY)とミススペルされているのでした。

Source / Esquire US
Translation / Keiko Tanaka 
※この翻訳は抄訳です。