トレーニングを愛好する多くの一般的な男性にとって、体脂肪率ひと桁台をクリアすることは、トレーニングにおける究極の目標と言えるでしょう。

日々の継続的な(トレーニングにおける)ハードワークと共に、厳密な栄養管理も同時に遂行することによって得られる直接的な成果です。そして、それが具体的なカタチとなって示されるのが、腹筋の美しい輪郭となるわけです。

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この理想を手に入れることは、多くの方にとって数カ月(もしかしたら数年)以上にも及ぶ一大プロジェクトとなることは否めません。

皆さんはすでに、「お腹だけに“狙いを定めて”脂肪を落とすのは難しい」ということはご存じのことかと思います。中でも、食事は持ち帰り料理で晩酌は欠かさず、間食には甘いお菓子も、といった悪しき食習慣から抜け出せない方の場合はなおさらです。

腹筋,シックスパック
Matthew Leete//Getty Images

数回トレーニングをこなす程度では、例えそれがどんなに激しいトレーニングであろうと焼け石に水。そのことだって、きっとご存じのはずです。それが予想できるからこそ、トレーニングを行うことで得るメリットの数々を知りながらも、いざ実践という段になると二の足を踏んでしまうのではないでしょうか。

ですが皆さん、今こそ本気でその目標に向かって取り組みませんか? それには、全力を尽くさなければなりません。よって、これまでに経験したことがないほどの、強靭な覚悟も必須となるわけです。そこで、それを実現するための強力なモチベーションアップとなるコンテンツを用意しました。それが、「写真でみる体脂肪率別のシックスパック」です。

◇日本人男性の体脂肪率(%)による肥満目安

「体脂肪率(%)」とは、体重に占める体脂肪の割合を指します。一般的に、健康的とされる体脂肪率の目安は、「日本人男性はおよそ10〜19%」。体脂肪率がそれ以上になると、「肥満」と判断されるでしょう。

◇内臓脂肪の測り方とBMI値

日本肥満学会では、肥満判定の基準として「BMI(ボディ・マス・インデックス:体格指数)」を採用しています。

BMI値=体重kg ÷(身長m × 身長m)

例えば体重70kgで身長1.7mの人の場合は、「70÷(1.7×1.7)=24.22」に。このBMI値が25以上となると、一般的に「肥満」と判定されるわけです。さらにBMI値が25以上で腹囲(ウエストサイズ)が男性の場合85cm以上となると、「上半身肥満の疑いあり」と示されます。

通常、BMIの数値が高ければ、体脂肪率も高いと判断されますが、もしあなたがボディビルダーやアスリートのような筋肉質の体型であるなら、話は別となります。なぜなら、筋肉と脂肪の比重は異なるからです。つまり、この数値だけでは正しい判断と言い切ることはできないというわけです。もし、ご自身で算出した数値から出る判定に不満の場合は、医者に相談するといいでしょう。

体脂肪を落とす事に必要なのは継続性と自制心

「体脂肪を落とすことは、かなり難しい課題となります」と語るのは、プロトレーナーのルイス・レノックスさんです。

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「そこで大事となるのは、継続性と自制心。一夜にして達成できるものではありませんが、小さい目標を積み重ねていけば、いつかは目的地にたどりつけます。私なら週に約900グラム~1000グラム落とすことを目標にして10週間から12週間続け、歩く距離を増やしたり、ジムでのトレーニングをより激しいものにするなどして活動レベルを徐々に上げていきましょう。ファストフードや持ち帰り料理はしばらくは食べないようにして、甘いものやアルコールもおあずけ、ということにしましょう。短距離走ではなくてマラソンを日々行うことになるので、最終目標に向かってひたすら進み続けてください」と言います。

◇写真でみる
体脂肪率別30%~7%の腹筋

以下に示す6つ例は、いずれも典型的な男性の体型で、あなたが割れた腹筋にどこまで近づいているかや、それを手に入れるにはどれくらい頑張らなければならないかを知るための目安になるでしょう。つまり、モチベーションの継続に役立つはずです。

また、体脂肪率の測り方や下げ方に関するガイダンスも、ここの付け加えておきます。

▼割れた腹筋を手に入れるためには、体脂肪率をどれくらいにする必要があるでしょうか? 

■体脂肪率およそ30%の身体

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日本人男性で「体脂肪率30%」と言うと、一般的に「重度肥満」をされ、男性でも女性でも太りすぎとみなされます。それは心臓や心臓血管の病気になるリスクが高くなる傾向にあります。

残念ながら体脂肪率が30%では、「腹筋が割れる見込みはない」と言わざるを得ません。 

■体脂肪率およそ25%の身体

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体脂肪率がおよそ25%以上になると、「中等度肥満」に分類されます。この数値は、あなたの現在の体型が健康か不健康かの境目にもなります。

体脂肪率30%ほど危険ではありませんが、体脂肪率が25%前後の男性でも「肥満」のカテゴリーに入ります。しかし、この場合は許容できる量の筋肉も持っている可能性もあります。一般的に、体脂肪率が25%の男性は、筋肉も皮下脂肪に覆われているでしょうから、見た目は立派な肥満体に認識されることでしょう。

■体脂肪率およぞ20%の身体

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このあたりになると、前よりは少し希望が見えてきます。体質にもよりますが、この数値だと男性は“細めの肥満体”、または“筋肉に脂肪が乗ったガチムチ体型”といった感じの見た目になって––脂肪に対して筋肉の割合が少ないため––ややふっくらした印象を与える方も少なくありません。

とは言え、人生において「割れた腹筋」が全て…ではありません。腹筋が割れていなくとも体脂肪率が20%以下なら、健康体と見なすことができるのです。なぜなら、高い体脂肪率が要因となる病気にかかる可能性は低いと判断されからです。

理想は体脂肪率
10%~18%台の身体に維持

■体脂肪率およそ15%の身体

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ひと言で言えば細身で、少なくとも腹筋も認識できる、鍛えられた身体のように見え始めてくる段階と言えます。この段階でも、ちょうどいい引き締まった腹筋という認識もできるでしょう。

NHKのEテレでも番組が放送されているイギリスの著名なトレーナーのジョー・ウィックス氏と、マーベルコミックスのヒーローであるウルヴァリンの中間の腹筋といったところでしょうか……。体脂肪率が15%前後になると、筋肉質に見えるようになってきます。

腕や肩にも、血管が浮いて見えてきます。ここまで継続してきたあなたは、「もう割れた腹筋への道を歩み始めている」と言っていいでしょう。

■体脂肪率およそ10%の身体

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トレーナーの観点から言うと、体脂肪率10%~19%台の身体にとどめておくのが最も無難で、目指すべき体型だと言えます。

筋肉––割れた腹筋も含む––があることがわかるくらい身体を絞れており、肩から腕まで血管も見えています。ですが、無駄なものが見当たらなくなってしまうほど、そぎ落とされているわけではありません。

脂肪は人間の身体に
必要で大切なもの

結局、「脂肪」は人間の身体にとって必要なものでもあり、少なくともある程度の脂肪は、人間の身体が正常に機能するためには欠かせないものなのです。

体脂肪率が10%以下になると、これはもうボディビルダーや、筋肉がすごいハリウッドスター、一流スポーツ選手並みということになります。

■体脂肪率およそ7%(またはそれ以下)の身体

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体脂肪率ひと桁は、最終地点ということになります。しかし、「健康」という観点から見ると、「あまりおすすめできない体脂肪率」とも言わざるを得ません。

筋トレ上級者が憧れるであろう体脂肪率ひと桁というのは、最適の体重を追求するレース前のレーシングドライバーや撮影を前にしたフィットネスモデル––彼らは1週間前から、水分や炭水化物を控えている可能性も高い––あるいは、特別なシーンの撮影に臨むハリウッドの俳優といった方たちのためにあるのです。

忘れてはならないのは、「体脂肪ひと桁の身体は美しく見えるかもしれません。ですが、大多数の人間にとっては、決して生活に適した身体とは言えない」、ということです。

実際のところボディビルダーでさえ、「大会前の数週間、歯を食いしばって懸命にもがいて、ようやくひと桁まで下げることができる」、という場合だって珍しくないのです。 

◇体脂肪率ひと桁を追い求める危険性と注意点

筋力の低下、臓器の委縮、神経系へのダメージ、脱水、骨がもろくなるといった症状は、体脂肪の減少がもたらす極めて現実的なリスクと言えます。もしそれでも、「体脂肪ひと桁を追い求めたい」と言うのであれば、十分な注意と指導のもと行うべきでしょう。 

◇体脂肪率の測り方

結局、体脂肪率を算出するベストの方法というものはないと言っていいでしょう。正直なところ、どの方法も完璧ではありません。それでも例え不正確であろうと、同じ方法で継続して測ってきた体脂肪率なら、増えているか減っているかを知ることはできるはずです。なので、以下に5つの方法を紹介しておきましょう。

  1. 皮下脂肪計
    …皮下脂肪の厚みを測る道具で、身体の3~7カ所で測ることができます。
     
  2. 生体電気インピーダンス法(BIA)
    …害のない電気信号を身体に通して、その反応をもとに体脂肪率を算出します。
     
  3. 腹囲測定
    アメリカ陸軍などでは、新規採用する者の腹囲、年齢、身長から体脂肪率を算出しています。
     
  4. 静水力学的計量法
    …水中体重測定法とも言われ、水中での浮力をもとに体脂肪率を算出します。
     
  5. 身体組成測定
    …これも体の密度から身体組成を割り出す方法ですが、この場合は水の代わりに空気を利用します。

◇まとめ:
体脂肪率の下げ方と食事制限

体脂肪率は、食事とエクササイズの両方を管理することによって下げることができます。簡単に言ってしまうと、摂取量以上のカロリーを燃焼してカロリー不足の状態になれば、体脂肪率は下がっていくものです。

最初は、ネット上にある「TDEE計算機(一日の総消費カロリーを計算するもの)」を使って、あなたの身体が実際に必要としているカロリー量を計算し、体重を落とすためにそれを100~200 kcal程度減らすことから始めてみてはいかがでしょうか。

さらに毎日の生活に急に激しいトレーニングを加えるというのは、人によってはあまりよい方法とは言えないかもしれません。まずは食事制限(カロリー制限)から始めるのも良い方法でしょう。

Source / Men's Health UK
Translation / Satoru Imada
※この翻訳は抄訳です。

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