この記事をざっくり説明すると…
- ボルボ傘下の高級電気自動車ブランド、ポールスター(Polestar)はコンセプトEVの「プリセプト(Precept)」を生産すると発表しました。
- テクノロジーと持続可能な素材を搭載したモデルとなる見込みです。
- 中国で生産され、アメリカでも販売される予定です。
「進化する自動車メーカーのデザイン美学をアピールする」という見地で製作されたコンセプトカーは、自動車ショーのブースのネタに最適と言えるでしょう。そしてその一部であるSUVや高級セダンは数年後には市場に登場し、公道を走るようになるのです。
ですがその一方で「その一部」以外のクルマたちは、世界中のさまざまなイベントに引き回された挙句、日の目を見ることなどなく、いつの間にか姿を消してしまう「研究作品」となるのでした…。これを題するなら、「コンセプトカーの悲哀」とでも言いましょうか。
正直に申し上げます。
2020年2月にポールスターが発表したコンセプトカー「プリセプト(Precept)」は、その後者の運命をたどっているかのように思えました。しかし、世界中が注目するこの見事なこのEVコンセプトカーは、同年9月26日に中国で開幕した北京モーターショー2020において、「量産化を決定した」と発表されたのです。
「世界中から『欲しい』と言われたので、まずは生産に入ることにしました。消費者は夢だけではなく、この自動車業界の変化を求めているのだと思います」と、トーマス・インゲンラスCEOは語ります。彼はボルボの元設計責任者を務めた人物であり、設計・研究から実際の生産に結びつけるのにうってつけの人材と言えるでしょう。
この「プリセプト」は、ポールスターがブランドのラインナップに求めるイメージ、つまり“環境への意識の高さ”を大切にしています。インテリアには、リサイクルした漁網や再生コルク、亜麻をベースにした複合材などのサステナブルな素材も使用されています。
また、「プリセプト」は新たなテクノロジーのショーケースとしても、かなり注目すべき存在となっています。「Solid-State Lidar Sensor(ソリッドステート・ライダー・センサー:光を用いることで遠距離にある対象までの距離や、その対象を解明するセンシング技術)」を搭載する他、車体後部のCピラーには、車両の充電状態を示すLEDストリップが収納されています。
しかし、市販車となった際に、これらの最新の技術がどの程度反映されるのかは今のところ不明です。そればかりか、発売のタイミングや価格、バッテリー容量など、現在わかっている詳細情報はそう多くはありません。
ただし、生産するために新しい工場を建設することだけは確かなようです。 同社の生産拠点である中国に工場を建設し、環境に配慮したカーボンニュートラル(何かを生産したり、一連の人為的活動を行った際に、排出される二酸化炭素と吸収される二酸化炭素が同じ量である、という概念)な工場を目指していると見られています。
「テスラと双璧を成す」と目されるポールスターの注目作ですが、果たして「プリセプト」は、日本国内でも展開されるのでしょうか? その点についても、詳細はまだ明らかになっていません。「少なくともアメリカ市場は、このクルマの未来計画の中に間違いなく存在しています」と、インゲンラスCEOはコメントを残しています。
Translation / Esquire JP
※この翻訳は抄訳です。