電動化モデル専売の
プレミアムブランドへ――
あのランチアの未来

1906年にヴィンチェンツォ・ランチアによってイタリア・トリノに設立され、現在はステランティス N.V. 傘下となっているランチア(LANCIA)は現地時間4月15日(土)、近未来感あふれるEVのコンセプトモデルを発表しました。ランチアはその名を「Pu+Ra HPE」とし、「今後10年間のランチアのデザイン哲学を形成するもの」と語ります。そして、このモデルによってランチアは自らの新しい時代、新しい方向性を指し示したとして注目を集めました。

「Pu+Ra」という少し奇妙な名前ですが、これは「Pure(ピュア)」と「Radical(ラディカル:急進的や革新的などといった意味)」という言葉をつなぎ合わせた造語です。新しいデザイン言語にちなんで、この名前にしたとのこと。ちなみに「Pu+Ra」に続く「HPE」とは、High Performance Electricの頭文字に由来します。

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Lancia
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充電時間は10分強で
航続距離は700km以上を目指すと発表

「Pu+Ra HPE」のパワートレーンに関して、詳細は明らかになっていません。ですが、それが新しいプラットフォームを使ったブランド初の100%電気自動車であること、そして充電時間は10分強、航続距離は700km以上、エネルギー消費量は100kmあたり10kWh未満を目指すことをアナウンスされています。

 
CityFiles//Getty Images
2007年3月30日、ポルトガル・ルーレで開催された「WRC選手権2007 ポルトガルラリー2007 クラシックラリーカーエキシビション」でのランチア「ストラトス」。

「Pu+Ra HPE」は、今も根強い人気を誇るランチアのスーパーカー「ストラトス」から明確なインスピレーションを得ており、同様のウェッジシェイプと丸いテールランプが特徴です。それらと対比すると異質な印象となるかもしれませんが、フロントエンドはランチアの「イプシロン」と似た形状のセンターライティングとブラックのノーズピースで構成されています。

インテリアはCassinaとの協業

空気力学、持続可能性に基づいて合理化されたデザインは、1950年代に登場した「アウレリア」や「フラミニア」を思い起こさせるところもあり、1970年代の「ベータHPE」や「ストラトス」を彷彿とさせる部分もあります。

大きな窓は自然光を取り入れて、インテリアのコンセプトである「ホームフィーリング」を具現化していると言えるでしょう。この「ホーム フィーリング」とは、イタリアの家からインスピレーションを得た居心地の良い室内環境ということで、インテリアについては高級家具メーカーのカッシーナ(Cassina)と共同で開発したとのこと。

ボディカラーは「プログレッシブ グリーン」とし、ブランドの未来を見据えた「プログレッシブ」と、持続可能性の「グリーン」をイメージして誕生した色になっています。それは最新の顔料を使用した液体金属が生成された、温かみのある青みがかった緑色です。

このコンセプトモデル「Pu+Ra HPE」は、そのまま市販されることはないでしょう。そのテクノロジーやコンセプト、デザインに関しては、2024年にハイブリッドバージョンとEVバージョンの両方で登場する予定の新型「イプシロン」、そして2028年登場と言われる新型「デルタ」に引き継がれるでしょう。

これはyouTubeの内容です。詳細はそちらでご確認いただけます。
Lancia Pu+Ra HPE - The 100% Electric Concept Car
Lancia Pu+Ra HPE - The 100% Electric Concept Car thumnail
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Source / Road & Track
※この翻訳は抄訳です