注目の新たなるバッテリープラットフォーム

 シボレー(Chevrolet)「ボルト」の発売が延期され、その販売戦略が当初の予想よりも不調に陥っているようです。この現状を受けて多くの人々は、電気自動車(EV)に対するGM(ゼネラルモーターズ)の方針が揺らぐことを心配していました。

 しかし、2020年3月4日に行われたGMによる多くの発表を受けて、そういった懸念は杞憂(きゆう=とりこし苦労)に終わるかもしれません。

 この日、GMは電気自動車向けの新しいバッテリープラットフォームである、「アルティウム(Ultium)」も発表しました。水平にも垂直にも積み重ねられるパウチ式のバッテリーを採用しており、このバッテリーアーキテクチャは「リリック(Lyriq)」を始め、多くの車両に搭載される予定となっています。

 「アルティウム」の蓄電容量は50 kWh~200 kWhで、一部のモデルでは最大400マイルのという航続距離を想定しています。GMはパートナーとして合弁会社を設立しているLG 化学と協業し、目下、バッテリーコストの削減にも取り組んでいます。


EVにおけるキャデラックの存在感が高まる!?

 GMはGMCやハマー(Hummer)以外にも人気のブランドを多数揃えており、EV分野においてはキャデラックの存在感をより高める計画を立てています。

 この日のブリーフィングでは、それに向けた取り組みは「2020年4月に本格的に開始される」と発表されました。その後の最新の報道によると、新しいEVプラットフォームを使用したキャデラックブランド初となる電気自動車「リリック クロスオーバー(Lyriq Crossover)」は、同年4月2日に発表される予定となりました。

 気になるのがその車体デザインですが、自動車情報の専門ウェブメディア「Motor 1」が伝えるところによると、「リリック クロスオーバー」は同年1月にブランドが断片的に情報を発信したEVクロスオーバーと非常に似ているとのことです(このページの冒頭にある写真となります)。

 キャデラックブランドからは、「リリック(Lyriq)」に加え、電気自動車のフラッグシップセダンとなる「セレスティーク(Celestiq)」も発売する予定です。このクルマは「リリック クロスオーバー」と同様のスタイルを持つ、限定生産の大規模なEVになりるようです。

 米国の自動車雑誌『Car and Driver』は、「なぜキャデラックが、ここまで大型で富裕層向けとも言える大型セダンを必要としたのか?」とマーク・ルースGM社長に尋ねました。そこで「キャデラックのブランドは良い状態にあると思いますか?」と問いかけると、「必ずしもいい状態にあるとは言えません」とGM社長は答えました。

 今や2020年です。もちろんフラッグシップのSUVも必要となるでしょう。『Car and Driver』が伝えるところによるとキャデラックは、2025年までに「エスカレード(Escalade)」と同等サイズの電動SUVを発売する予定とのこと。そのプラットフォームはおそらくハマーと同じものとなるでしょう。これは、キャデラックファンにとっては、最後の朗報と言えるかもしれません。

 これらのモデルのプレビューで全てのキャデラックのEV車は、それぞれ別個の名前となり、評判の悪い英数字のネーミングは取りやめとなる公算が大きくなりました。


シボレーにも新たなる動きが!

 実はシボレーもまた、EV路線の拡大を進めています。「ボルト」は2020年にリニューアルされる予定ですが、さらに重要なことには2021年に、「ボルトEUV全電動クロスオーバー」を加える予定となっています。

 現在、その詳細はほとんどありません。が、1つの明るい見通しとして、GMが誇るセミオートのスーパークルーズシステムが搭載される見込みとなっています。これによって、これまではキャデラック限定とされていたスーパークルーズを搭載する最初のシボレーとなります。シボレーは2025年までに独自の電動ピックアップを発売する予定であり、「ハマーとDNAを共有する可能性が高いのではないか」と見られています。

これはpollの内容です。詳細はそちらでご確認いただけます。

Source / Road & Track
Translate / Esquire JP
この翻訳は抄訳です。