イギリスの高級自動車メーカーのベントレーは、同社初のPHV(プラグインハイブリッド)として2015年に誕生した「ベンテイガ・ハイブリッド」の改良アップデートモデルを発表しました。
新たに3.0リッターV-6ドライブトレインと電気モーター、17.3kWhのリチウムバッテリーパックを搭載した改良モデルは、「ベンテイガ」の全ラインナップの中でもベストセラーモデルへの期待が寄せられています。
「ベンテイガ・ハイブリッド」のエクステリアの変更は最小限に
「ベンテイガ・ハイブリッド」のエクステリアにおける変更点は、必要最小限に抑えられています。どの角度から眺めても、おなじみのクワッドクラスターヘッドライトや巨大なグリル、コンチネンタルGT風の楕円形テールライトなど、これまでのデザインから大きな変更はありません。変更点としては、左リアフェンダーの充電ポイントフラップやクワッドエキゾーストパイプ、ハイブリッドバッジに仕様変更が認められる程度となっています。
449馬力・最大で約862キロの走行が可能
2021年モデルには、アウディと共有する3.0リッターV-6エンジンを復活させ、8速オートマチックトランスミッションとの間に電気モーターを搭載する予定です。バッテリーパックの純然たる電動航続距離は 、最大31マイル(約50キロ)。ガソリンエンジンとモーターの併用では、欧州における乗用車等の排出ガスや燃費評価に用いる規格「NEDC(New European Driving Cycle)」 に基づく 1タンク燃料で、最大536マイル(約862キロ)に達します。
電気モーターだけで127馬力、約350Nmのトルクを発揮。V-6と組み合わせることで、パワートレインは合計で449馬力、約700Nmのトルクを発揮します。
ドライブモードは3種類
キャビンは、「コンチネンタルGT」から新しいデジタルゲージクラスターに更新され、ワイヤレスのアップル「CarPlay」とグーグルの「Android Auto」も標準装備。また、新たに3種類(EVドライブ、ハイブリッド、ホールド)のドライブモードを搭載しています。
電源を入れると、すぐに「EVドライブ」モードとなります。可能な限り電気だけで走行する設定であり、「ベントレー・ハイブリッド・エフィシェンシー・アクセルペダル」を踏み込もうとすると、瞬間的な抵抗がドライバーに伝えられ、電力のみの走行からハイブリッド走行へと切り替わるポイントが体感できるようになっています。そのことで、積極的にEVドライブモードを使用するよう促すことが狙いとなっています。もちろん、これを無効にすることも可能です。
「ハイブリッド」モードは、長距離ドライブ向きになります。ナビゲーションシステムの走行ルートに従いながら、Eモードの予測機能とエンジンの惰性回転からバッテリーの電力を最も効率的に利用するための計算を絶えず行われ、効率性と航続距離を最大限に引き出すモードになります。
そして「ホールド」モードは、エンジンと電力をバランスよく使用し、必要なときに電力で走行できるよう高圧バッテリーの充電量を維持するモードになります。
「EVドライブモード」には新たなPHVドライブの楽しさが凝縮
今回、特に注目に値するのが、デフォルト設定の「EVドライブ」モードとなるでしょう。前述のように、これは電気走行を最大限に楽しめるモードです。市街地走行や短距離走行に適しているといるでしょう。また、低速時には専用スピーカーから音を出し、歩行者に車両接近を知らせる機能も装備されています。
システムの情報を基に、アクセルペダルを介してドライバーにフィードバックを伝え、最も効率良く走行できるようアシストする「ベントレー・ハイブリッド・エフィシェンシー・ナビゲーション」を搭載していることにも注目すべきでしょう。この機能は、データベースからの予測データを使用することで、交差点や制限速度が下がる地点を検知。ペダルを振動させることでドライバーにスロットルから離れるように指示し、効率の良いドライビングをアシストします。
また、Eモーターから切り替わって内燃機関が始動するまでの間はスロットルペダルを通じたフィードバックによって、ドライバーは可能な限り長くEVドライブモードを続けることが可能となり、運転効率を最大限に高めることができるのです。
純粋な電気駆動では、Eモーターは最高時速84マイル(約135キロ)に到達します。
気になる価格は?
2021年型の「ベンテイガ・ハイブリッド」の価格は、まだ発表されていません。ですが、ラインナップの中では最も手頃な価格帯になるとの見方が有力です。アメリカにおける納車は、2021年春に開始されると予想されています。
Source / Road & Track
Translate / Esquire JP
※この翻訳は抄訳です