この記事をざっくり説明すると…

  • ネット通販の巨人アマゾン傘下のZoox(ズークス)は、完全自動運転で、対面式の座席で4人が座れる「EVロボタクシー」を発表しました。
  • シャトルの全長は142.9インチ(約3.6m)の長さで、スマート「フォーツー」とトヨタ「カローラ」の中間くらいの大きさです。最高速度は時速75マイル(時速約120キロ)と発表されています。
  • 製造はアメリカ国内の予定ですが、製造パートナーや生産スケジュールは明らかにされていません。

zoox
Zoox

 2014年にシリコンバレーで設立されたスタートアップのZoox(ズークス)社は、自動運転のソフトウェアの開発を行っており、将来的な自動運転によるライドシェア社会の実現を目指しています。2020年6月には、人工知能を搭載した音声アシスタント「アレクサ」を活用した自動車分野への進出を進めるアマゾンが買収を発表。現在、アマゾン傘下にあるその先端企業が、ロボタクシーの未来像を公開しました。

 「ズークス」と名づけられたこのクルマは、 "運転手のためではなく、乗客のためにつくられたクルマ"です。ドライバーによる運転を必要としない完全電気自動走行車で、定員は4人。車内にはハンドルや運転席はありません。従来のコンパクトカーよりも小型で、全長はおよそ3.6m。これは2021年のトヨタ「カローラ」よりも、ほぼ40インチ(約1m)ほどコンパクトになっています。

 デザインは、(ホンダやソフトバンクも出資)米ゼネラル・モーターズ(GM)が大半を出資する自動運転車開発のスタートアップ企業Cruise Automation(クルーズオートメーション※以下、クルーズ社)やトヨタなどがすでに発表している、自走シャトルのデザインと似通っています。が、ズークス社の発表によると、最高速度は時速75マイル(時速約120キロ)を記録し、フリーウェイの走行も可能であるなど、競合車にはない魅力を備えています(ちなみにクルーズ社は、2019年1月に同様の自律型シャトルを発表しました。が、その最高速度はいまだ発表されていません)。

zoox
Zoox

 四輪操舵(4WS)の「ズークス」は、車両の向きを変えることなく前後どちらへの走行も可能です。「狭い場所での小回りも利きやすい」と言います。また、エアバッグが乗客を包み込むような独自のエアバッグシステムを搭載しており、ズークス社によれば、「4人の乗客それぞれに5つ星の衝突安全保護」を与えているとのことです。

 日本の国土交通省が規定するところによると、自動運転技術にはレベル1からレベル5までの5段階に分かれています。レベル1とレベル2は運転支援車、レベル3は条件付自動運転車、レベル4は自動運転車(限定領域)、レベル5は完全自動運転車です。アメリカにも類似した規定があり、「ズークス」はその最高ランクであるレベル5に分類され、完全なる自動運転車と認定されています。

 搭載しているバッテリーは133.0kWh、連続16時間の走行が可能と言います。残念ながらこの数字だけでは、航続距離の目安にはなりません。ですが、130.0kWh以上のバッテリー容量であれば、少なくとも300マイル(約483キロ)の航続距離を確保できるでしょう。

 ズークス社は現在、ラスベガスの他にサンフランシスコとカリフォルニア州ベイエリアのフォスターシティでもテストを実施しています。アメリカ国内で製造されるとしていますが、「ズークス」のサービス開始予定日や発売日はおろか、提携企業についてはまだ明らかにされていません。

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Source / CAR AND DRIVER
Translate / Esquire JP
※この翻訳は抄訳です