米国エネルギー省(DOE:Department of Energy)は国内のEV(電気自動車)の普及に向けた新たな計画として、より安価で高い効率性を備えた長寿命のバッテリー開発のための出資プログラムを開始すると発表しました。

これは2022年2月の、全国規模のEV用充電ネットワークの充実を目的とした、エネルギー省と運輸省による共同オフィスを設立することの発表に続くもので、州間高速道路システムに沿った充電ネットワークの骨格づくりのため、今後5年間で50億ドル(約6416億円)の予算を投じる計画となっています。

今回新たな計画として開始されるのは、「EVs4ALL」と呼ばれる新型バッテリーに特化したプログラムとなります。次世代型EV用バッテリーの国内開発に最大4500万ドル(約57億7500万円)の予算が確保される見通しで、エネルギー高等研究計画局(ARPA-E:Advanced Research Projects Agency-Energy)という担当部署も設置されました。

良質な電池が消費者の不安を解消へ

今回掲げられた目標は、バッテリーの高速充電、高効率化、そして長寿命化の3点です。

DOEは、国民の多くが家庭用充電器の設置に適した住居に暮らしているわけではないことを認識しており、夜間充電が困難な人々のため、充電時間を最速で5分ほどに短縮する技術を求めています。また、寒冷地におけるEV普及の促進のため、バッテリーの効率化と極端な温度変化に耐え得る電池の開発もDOEは求めています。

さらに、国民の3分の2が中古車を購入している実態を踏まえ、古いEVでもバッテリーを頻繁に交換する必要がなく、中古車市場にも十分な走行距離を持つEVが出回るように、バッテリーの寿命に応じた走行距離保持率の向上を目指しています。

今回の取り組みは、2030年には自動車販売台数の半分をEVとすることを目指すバイデン大統領にとって、極めて重要な意味を持つプロジェクトとなります。多くのアメリカ国民にとってのEV購入の不安解消を促し、より高性能なバッテリー開発を実現したいというのが米国エネルギー省の目標です。

Source / CAR AND DRIVER
Translation / Kazuki Kimura
この翻訳は抄訳です。