偉大なるロックバンド、ビートルズが最終的に解散に至ったその経緯については様々な説があります。そして常にその話の中心でカギを握っているように語られる人物が自分であることを、ベース担当のポール・マッカートニーはよ~く知っています。

 しかし、スティーブン・コルベアが司会を務めるテレビのトーク番組『The Late Show with Stephen Colbert』に出演したマッカートニーは、「自身とジョン・レノンの間には愛情以外には何もない」と語り、亡くなったジョンが出てくる夢を今でも時々見ていると明かしました。 
 
 「大事なことは、私たちは長い間非常に深い関係を築いてきたということです。あれほど長い間を共にしていると、その相手が夢に出てきたときに改めて、その関係が互いも良好であることが確認できるのです」と、マッカートニーは語っています。 
 
 「大抵は私はジョンと一緒にいて、単に一緒に何かすることについて話をしています。そして、私が自分のベースを取りに行くと、そのベースはガムテープでぐるぐる巻きになっていたりするのです…」と、マッカートニーは夢の内容を話してくれました。

 おかしなことが脈略なく起こる典型的な夢のようです。が、マッカートニーは、「レノンが出てくる夢は、いつもいい夢だ」と強調しています。 
 
 ビートルズの最後のアルバムである『アビーロード』の発売から、50年が経ちました。そして今回マッカートニーは、「夢の中で浮かんだ曲もあるよ」と明らかにしています。その曲とは、1965年に発売されたアルバム『ヘルプ(Help!)』に収録されていた『イエスタデイ』のこと。あの大ヒット曲は、ある晩マッカートニーが寝ている間に生まれたものだったのです。

 「ある朝目が覚めると、頭の中に曲がありました。ベッドのそばに、たまたまピアノがあったのです。それで私は…」と語ったマッカートニーはその後、言葉を濁しながらピアノを弾く真似をしました。「それで私は、ジョンを含む友だち全員のところを廻り、『この曲は何だか分かるかい?』と尋ねました。すると彼は、『知らない』と答えました」と、マッカートニーは当時を振り返っています。

これはyouTubeの内容です。詳細はそちらでご確認いただけます。
Paul McCartney Often Dreams of John Lennon
Paul McCartney Often Dreams of John Lennon thumnail
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 それから数週間後にポールは、その曲が自分のものだと主張しました(念のために記すと、『イエスタデイ』は今でもマッカートニーのつくった曲とされています)。そしてこの歌は、結果的にレノンとマッカートニーが生み出した曲の中で最もよく知られたものになりました。

 訪れるに値するほど、興味深く思える夢の世界はそう多くはありません。ですがもし、誰かが正式にそんな夢の世界のリストをつくることになったら…。そこには、ポール・マッカートニーの夢の世界が上位にランクインされることは間違いないはずです。

 

 
 

From Esquire UK
Translation / Hayashi Sakawa
※この翻訳は抄訳です