2021年10月21日、ポーランド・ワルシャワからうれしい知らせが届きました。それは世界で最も権威のある音楽コンクールの一つ、「International Chopin Piano Competition(ショパン国際ピアノ・コンクール)にて本選に進んだ12人の中の一人、 そして「エスクァイア」が主催する2020年のMaverick授賞者である反田恭平さんが2位に入賞したということ。

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上は、最後の演奏後と思われるご本人のInstagram投稿です。そのキャプションには、こう記されていました。

First of all, I would like to say really really thanks everyone who has supported me so far.

I am more than happy that I was able to play all the pieces which I prepared, and I am very happy that I participated in the 18th Chopin International Piano Competition. You know? I waited this moment for 6 years.

During the competition period, I felt painful and sometimes felt happy, and sometimes I didn't feel like I was alive, however now I am full of happiness.

I've been too embarrassed to say much about it, but I'm proud that I was able to play my favorite piece in the world on this final stage, which has been my dream since I was 12 years old, and I want to continue loving music and working in the world.

During the competition, I received messages from my favorite wonderful pianists such as Mr.S.Bunin, Mr.K.Zimerman, Mr. R.Blechacz, Mr.I.Levit and other artists from all over the world, which I will be proud of for the rest of my life.

Finally…

Done it!!!

I am supremely happy.

Thank you, My dear Chopin, for making my life so wonderful. I want to say again “Thank you all for your support”!!!!

From Japanese Samurai xD!!!!!

* * * * *

まず初めに、ここまで応援して下さった皆さま、ありがとうございました。

用意した全ての作品を弾けたことが何よりも嬉しいですし、そして第18回ショパン国際ピアノコンクールに出場して、本当に良かったと思っています。

コンクール期間中は本当に苦しかったり、だけども時には仲間と励まし合って幸せな気持ちになったりと、生きた心地は1カ月間あまりしませんでしたが、今はとても幸せでいっぱいです。

恥ずかしくて今まで言えなかったけれど、実は12歳からの夢だったこのファイナルのステージ。そして世界で1番好きな作品を弾けたことに胸を張って、これからも音楽を愛し、世界中で活動をしたいと思います。

そしてコンクール期間中には、尊敬してやまない大好きなピアニスト、ブーニン、ツィメルマン、ブレハッチ、レヴィットなどといったピアニストを初め、世界各国から大好きな芸術家からメッセージを頂いた事は大きな心の財産となりました。

達成感に満ち溢れています。

最高に幸せです。
6年間かけて、この瞬間を待っていたのですから。

ショパンさん、こんなに素敵な人生にしてくれてありがとう。

皆さん、御声援、本当にありがとうございました。
結果が出る前に、この言葉をちゃんと改めてお伝えしたかったのです。

ありがとうございました!!

日本のサムライより(大笑)!!!!!

🎹

こちらのほうこそ、「ありがとうございました!!‼」です。“ポジティブ”いただきました。これは「快挙」という言葉では言い尽くせないほど、実に素晴らしいことです。昨年、Maverick撮影およびインタビューに同席した筆者も、心に染み入る歓びを得ることができました。

“最高峰のコンクール、
「ショパン国際ピアノ・コンクール」
での偉大なる2位入賞

今回の反田さんの2位入賞は、冒頭で述べたように1970年の内田光子さんと並んで、日本人の過去最高位です。おまけに反田さんの旧知の仲である小林さんも4位に…。この日本人の2人入賞も、2005年に関本昌平さんと山本貴志さんが4位を同時入賞したとき以来となります。

入賞者は計8名、1位はカナダのブルース・リュウさんであり、2位は反田さんと共にイタリア/スロヴェニアのアレクサンダー・ガジュヴさん、3位はスペインのマルティン・ガルシア・ガルシア、4位に小林さんとポーランドのヤクブ・クシュリックさん、5位にイタリアのレオノーラ・アルメリーニさん、6位にカナダのジェイ・ジェイ・ジュン・リ・ブイさんとなりました。

なにせ反田さんの2位の名誉は、1970年の内田光子さんと並んで、日本人の過去最高位です。さらに、日本人の2人での入賞も2005年以来となりました。10月18日から行われた本選は20日まで、3日をかけてワルシャワ市内にあるフィルハーモニーホールで行われました。20日の最終ラウンドにて、42分間ほどの演奏が終了したときにホールを見上げた感無量の表情…。そして、コンダクターを務めたアンドレイ・ボレイコさんに深々とお辞儀をし、演奏をともにしたワルシャワ国立フィルハーモニー管弦楽団の皆さんを讃えたのちに観客席へと振り向いた反田さんの充実感に満ちた表情は感涙ものでした。

できるなら、1位になってほしかった…それが正直な(日本人の観客としての)気持ちです。ですがそれは、ご本人が一番思っていることかもしれませんし、もしかすると反田さんなら、自分の至らないところを冷静に振り返り、2位という評価をポジティブに受け止め喜んでいるかもしれません…。

それではここで、反田さんによる最終ラウンド演奏を「ショパン国際ピアノ・コンクール」を主催するフレデリック・ショパン研究所が運営する公式YouTubeの映像でお確かめください。

これはyouTubeの内容です。詳細はそちらでご確認いただけます。
KYOHEI SORITA – final round (18th Chopin Competition, Warsaw)
KYOHEI SORITA – final round (18th Chopin Competition, Warsaw) thumnail
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そうして同月21日、「第18回 ショパン国際ピアノ・コンクール」の結果が上記のように発表されると、反田さんは小林さんと共に抱き合って喜んでいました。

夢に向かって
着実に突き進む反田恭平

小学生時代はサッカー少年であり、プロも目指したこともあった反田さん。そんな彼が年を経て、ピアノのプロ目指すようになりました。そして、高校在学中から頭角を現した、モスクワ留学を経て、現在は世界的に活躍するピアニストに。と同時に、ワルシャワの国立ショパン音楽大でも学ぶ、進化することを真摯に慎ましく求め続けるサムライです。

昨年のインタビューでは、サッカーから団体競技の素晴らしさに子供心ながら感動し、ソリストとしての実力を上げながら、誰かと一緒に音楽をつくり続けていきたいという想いを語っていただきました。そして、25年後くらいに学校をつくって、そこら世界で活躍する演奏家を世界へと送り出していきたいとも…。さらに、その卒業生が世界的コンクールで優勝して、ワールドワイドに活躍することをひとつの夢だと語っていました。

そんな反田さんは、まだ夢の途中かもしれません。でも着実に、そして強固に、(さらには少しペース早くない?と思えるほどのスピードで)前へ前へと歩んでいることが、今回のコンクールで再確認できました。なので、筆者も少々涙腺がゆるんだようです。

「反田恭平さま、
本当におめでとうございます!」
-Esquire編集部より

ソリストである反田さんは、サッカーで言えばポイントゲッターのセンターフォワードでしょうか? そんなポジションでありながら独りよがりにならず、他のメンバーであるワルシャワ国立フィルハーモニー管弦楽団の全員を称え、そして対話し…ある種、余裕すら感じさせながら見事な連携プレーをこなして得点を重ねていった…と、筆者は感じとりました(勝手にすみません)。そして審査は長引き、発表の時間は未明へとずれ込んだことも、この反田さんの2位のすごさを物語っていると実感。反田さんの今後の活躍を期待してやまない、エスクァイア・デジタル編集部より…。

🎹

最後に、昨年行われたイベント「The Mavericks of 2020 ―共に進もう ―」ライブ配信のアーカイブをご覧ください。冒頭で反田さんのソロによるショパン作『ポロネーズ第6番変イ長調 作品53』の演奏が流れています!

これはyouTubeの内容です。詳細はそちらでご確認いただけます。
【LIVE 11月18日(水)20:30~】The Mavericks of 2020 ライブ配信|Maverick| Esquire Japan
【LIVE 11月18日(水)20:30~】The Mavericks of 2020 ライブ配信|Maverick| Esquire Japan thumnail
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そして今年も、「The Mavericks of 2021 」を開催する予定となっています。その発表に関しては、もう少しお待ちください。