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ランニングブームの高まりとともに人気を集めているのが、ランニングウォッチです。このページでは、ランニングウォッチの機能やスマートウォッチとの違い、ランニングウォッチの選び方のポイントを解説します。さらにガーミンやスント、セイコーやカシオなどの人気メーカーのおすすめ最新ランニングウォッチも紹介します。
ランニングウォッチとは?
ランニングウォッチとはランニング中、中間の一定の距離ごとに競技者の所要時間、いわゆる「ラップタイム」を計測するための腕時計型デバイスです。
現在のランニングブームも追い風となり、最近ではGPSを内蔵し、走行距離や心拍数、消費カロリーなどを測定できる、高機能なものが主流になっています。さらに、スマホなしでの音楽再生や電子マネーに対応したランニングウォッチも登場しています。もちろん、時刻表示とラップタイム計測に特化したシンプルな製品も根強い人気です。
また汗をかいたり、急な雨に濡れても故障しないように防水設計がされており、それでいて、ランニングの邪魔にならないよう軽量につくられている点もランニングウォッチの特徴と言えます。
ランニングウォッチと同じ腕時計型のデバイスに、スマートウォッチの存在があります。GPSを搭載した高機能なランニングウォッチは、スマートウォッチとよく似ています。
主な違いは、ラップタイムを計測する際の使いやすさと軽さ、そして防水性能です。スマートウォッチと比べて、ランニングウォッチのほうがより軽く、防水性能も高くつくられています。スポーツで使うことを重視するのであれば、ランニングウォッチがおすすめとなります。
ランニングウォッチに搭載されている主な機能
ランニングウォッチの最も基本的な機能が、ラップタイム計測機能です。例えるなら、1kmごとや5kmごとなど任意の区間のタイムを計ることができるもので、その日のランニングペースを評価および把握するのに役立ちます。
GPS(衛星測位システム)を内蔵し、走行距離を自動で計測してくれるランニングウォッチもあります。この機能のメリットはトレーニング用のコースが決まっていなくても、自動で走った距離と時間を計測してくれることです。トラックや固定のコースではなく、いろいろなコースを走ることを楽しみにしているランナーにはおすすめです。
光学式心拍計を搭載したランニングウォッチなら、リアルタイムで心拍数を測定することが可能です。心拍数を知ることでランニング中にかかっている負荷をチェックして、トレーニング強度をその場で変えていくことができるというわけです。
同じコース、同じ走り方でも、体調によって心拍数は変わります。心拍数測定機能があれば、より安全で効率のよいトレーニングに役立つはずです。
高機能タイプのランニングウォッチは、Bluetoothなどでスマホと接続できるモデルがほとんどです。ランニングウォッチで収集したデータを、スマホアプリに読み込ませて、過去のトレーニング記録を蓄積。今後のランニングメニューに活かすこともできます。
また、同じメーカーのスマートウォッチや体重計を使っている場合、すべてのデータを統合することも可能となるので、日々の健康管理に役立つでしょう。
高機能なランニングウォッチになると、音楽データを保存してBluetoothイヤホンで聴けるようになっている製品もあります。
他にも、スマホと連携し音楽プレーヤーを操作できるタイプもありますが、スマホも携帯する必要があり、邪魔に感じる人も少なくないはずです。そんな場合は、音楽再生機能付きのランニングウォッチをおすすめします。
ランニングウォッチの選び方
ランニングウォッチにはラップタイム計測機能だけに絞ったシンプルなものから、さまざまな機能を盛り込んだ高機能なタイプまで多種多様です。
製品によってできることが変わるので、欲しい機能がついているか必ずチェックしましょう。また機能が多くなると、重量が増したり、価格も高額になる傾向にあります。自分にどんな機能が必要なのかを、きちんと見極めることも大切となります。
一般的な腕時計やスマートウォッチに比べてランニングウォッチは、軽量で腕にフィットするようつくられています。運動中も違和感は比較的少ないですが、より軽いランニングウォッチのほうが負担になりにくいでしょう。
見落としがちなのが、電池寿命です。とは言え、ラップタイムのみを計測するシンプルなランニングウォッチは電池が長持ちするものが多いので、あまり気にする必要はないでしょう。
注意すべきは、GPSを搭載した高機能タイプです。バックグラウンドで通信を行っている場合には、電池の消耗が大きくなるものがあるからです。また、充電式製品に内蔵されているバッテリーの場合は、充電を繰り返すほど電池の寿命が短くなくっていくものです。
そんなケースを考慮の上、ランニングウォッチを選ぶ際は「バッテリーが新品の半分しか持たなくなっても、フルマラソンを走り切れるくらい」などご自身が望む、最低限稼働してほしい時間を明確にし確かめておくことがおすすめとなります。
ランニングウォッチのおすすめ9選
GARMIN(ガーミン) ForeAthlete 55
船舶用GPSや、航空機の運航管理システムを製造しているアメリカの「ガーミン」。一般向けにもさまざまな製品をつくっており、スマートウォッチや各種スポーツウォッチ、サイクルコンピューターなどでは定番のメーカーとなっています。
2021年に登場したばかりのこの「ForeAthlete 55」は、わずか37gという超軽量設計が特長。それでいてGPS機能オンで20時間の電池持ちを実現し、5気圧防水や心拍数測定など基本性能も充実しています。価格も手頃なので、GPS付きランニングウォッチ入門用にも適しています。
- GPS機能:あり
- 重量:37g
- 稼働時間:約20時間(GPS使用)、約14日間(GPSなし)
- 主な機能:心拍数測定、スマホ連携、5気圧防水
GARMIN(ガーミン) ForeAthlete 745
ガーミンのランニングウォッチのミドルグレードにあたるこの「ForeAthlete 745」は、音楽の再生も可能です。SpotifyやAmazon Musicなどのプレイリストを同期し、500曲程度を記憶できるため、普段サブスクで音楽を楽しんでいる人にとっても使いやすくなっています。
また、Suicaが使える「Garmin Pay」にも対応しています。スマホでSuicaにチャージしておけば、ランニング中に自動販売機やコンビニでドリンクを買うために財布を持っていく必要がありません。ランニング中の持ち物を減らしたい人にもおすすめです。
- GPS機能:あり
- 重量:47g
- 稼働時間:約16時間(GPS使用 )、約7日間(GPSなし)
- 主な機能:心拍数測定、スマホ連携、音楽再生、5気圧防水、電子マネー機能
SEIKO(セイコー) プロスペックス SBEF055
定番とも言える、SEIKOの「プロスペックス」のランニングウォッチです。今回紹介するランニングウォッチの中で、唯一ソーラー充電機能を搭載しています。そのため、充電や電池交換は不要。フル充電で半年持つので、電池持ちを気にしなくて済むモデルです。
文字盤が大きくランニング中に見やすいことが特徴で、使いやすさには定評アリ。41gとやや重めですが、薄くつくられているため走る際の邪魔にならないでしょう。また、300ラップものメモリー機能も備えます。
- GPS機能:なし
- 重量:41g
- 稼働時間:フル充電で約6カ月(パワーセーブモードで約20カ月)
- 主な機能:10気圧防水
CASIO(カシオ) Collection SPORTS STR-300CJ-1JH
カシオの「Collection SPORTS」シリーズは、ランニングウォッチの定番ライン。わずか30gという超軽量設計と5気圧防水で、ランニングを始めとするさまざまなスポーツに使えます。
ランニングウォッチとしての機能は、ストップウオッチ機能、ラップ計測機能、60ラップ分のメモリー、そして積算距離の算出も可能。特筆すべきは、約10年間電池交換不要の長寿命バッテリーです。充電や電池交換の心配をしなくてよいため、より気軽に使えるでしょう。
- GPS機能:なし
- 重量:30g
- 稼働時間:約10年
- 主な機能:5気圧防水
SOMA(ソーマ) RunONE50
「ランニング時のラップタイム計測機能は欲しい」、という学生や初心者におすすめしたいのがこのSOMA「RunONE50」です。SOMA(ソーマ)はセイコーグループのブランドで信頼性も高く、5000円台から購入できるコスパに優れたランニングウォッチとして好評です。
できることはシンプルで、時刻表示とタイム計測、そして100ラップ分のメモリーです。同時に2つのタイムを計れるデュアルタイム計測や、ストップウオッチ機能も搭載しています。5気圧防水にも対応しているので、トライアスロンなどにも使えます。
- GPS機能:なし
- 重量:―
- 稼働時間:約2年
- 主な機能:5気圧防水
SUUNTO(スント) SUUNTO 5
液体封入型コンパスの特許を持つフィンランド発祥のブランド、SUUNTO(スント)。約90年の歴史があるメーカーですが、現在は中国の「安踏体育用品」の1ブランドとして、登山やスキー、トレイルランニング、ダイビングなどのための測定機器を販売しています。
この「SUUNTO 5」は80種類以上のスポーツに対応しつつも、スポーツウォッチシリーズで唯一ランニングに主眼を置いてつくられたモデルです。SUUNTOが得意とする方角や高度の計測が強力なことはもちろん、スマホアプリからの設定で簡易的なルートナビゲーションも可能。特に、トレイルランで威力を発揮するでしょう。
- GPS機能:あり
- 重量:66g
- 稼働時間:約20時間(GPS使用)、約12日間(GPSなし)
- 主な機能:心拍数測定、スマホ連携、音楽再生、5気圧防水
POLAR(ポラール) VANTAGE M2
1970年代からワイヤレス心拍数計の開発を開始し、1982年に世界で初めて実用化に成功したのがフィンランドに創設されたブランド、ポラール(POLAR)。現在もその技術を生かしてトレーニング用コンピューターの開発を行っています。
この「VANTAGE M2」は、ポラールではスタンダードなランニングウォッチという位置付けになります。他社製品と同等の機能を備えた上で、事前に必要な栄養量を計算する機能や過去データを参考にオーバートレーニングを防ぐ警告機能、さらに睡眠モニター機能なども備えています。
- GPS機能:あり
- 重量:45.5g
- 稼働時間: 約40時間(GPS使用 )、約7日間(GPSなし)
- 主な機能:心拍数測定、スマホ連携、3気圧防水
POLAR(ポラール) VANTAGE V2
ポラールのランニングウォッチの中では、上級モデルに当たるこの「VANTAGE V2」。GPSに加え、3つの衛星システムも利用した強力な位置情報システムを備えています。ビル街から山の中まで、さまざまな環境でランニングデータを記録することができます。
水深100mまでOKな防水機能や、省電力モードで最大約100時間稼働というロングライフ設計になっている点も魅力。三大栄養素別に消費カロリーを計算してくれる機能も備わっているので、ダイエットのために運動している人にもおすすめできます。
- GPS機能:あり
- 重量:52g
- 稼働時間:GPS使用 40時間(GPSなし7日間)
- 主な機能:心拍数測定、スマホ連携、10気圧防水
GARMIN(ガーミン) ForeAthlete 945
ガーミンのランニングウォッチの上級モデルであるこの「ForeAthlete 945」は、カラー地図によるナビゲーション表示が可能となっています。人気ルートのデータも収録されているので、知らない街を走るときや里山を走るトレイルランでも、最良のルートを走るのに役立つはず。
心拍数計測に加え、VO2Max(最大酸素摂取量)も計測可能です。この機能によってランニング中の身体の状態がよりわかりやすくなるので、これらのデータを参考にしたトレーニング強度のアドバイスもしてくれます。
音楽再生や電子マネー機能も搭載。さらに電池の持ちもよく、価格は高くても良いものが欲しい人におすすめです。
- GPS機能:あり
- 重量:50g
- 稼働時間:約32時間(GPS使用)、約14日間(GPSなし)
- 主な機能:心拍数測定、スマホ連携、音楽再生、5気圧防水、電子マネー機能
まとめ
GPS機能付き or GPS機能なし…それぞれのタイプのランニングウォッチを紹介してきました。バッテリーの小型化やデジタル技術の進歩により、ランニングウォッチは大変高機能となりました。ナビ付きや電子マネー付きの製品なら、手ぶらでランニングに出かけられますし、トレーニング強度を教えてくれる製品なら初心者も無理なくランニングが可能となるはずです。
一方で、既に自分の走りのスタイルができ上がっているベテランランナーであれば、シンプルな機能の製品で十分なこともあるはず。この記事を参考に、ぜひ自分にふさわしい製品を見つけてください。