ファンの間で長く待ち望まれていたマニュアルトランスミッションの「GRスープラ」が、いよいよ登場します。2023年型「GRスープラ」には、3つのトリムでシフトレバーが用意される他、サスペンションと駆動系も新しくなりました。トヨタも「これまで以上の走りを実現した」と自信を覗かせています。

BMWと共同開発され、日本には2019年に登場した「GRスープラ」(A90型)。新型「GRスープラ」の6速マニュアルのギアボックスは、搭載されるBMW製のB58型直列6気筒ツインターボエンジンに最適化された専用チューニングとなっています。

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TOYOTA

2023年型以降の「GRスープラ」には、「3.0」および「3.0プレミアム」の2種類がこの直列6気筒のトリムラインとしてラインナップされ、さらに「A91-MT」と呼ばれる第3のトリムも加わります。

この「A91-MT」ですが、マニュアル仕様車のみで展開される予定です。「3.0プレミアム」の基本性能を全て備えている他、なめし皮製のシート、ティザー画像で披露されたユニークな赤いロゴ、赤いストラット式サスペンション用パーツ(編集注:サスペンションの上部を補強するバー)、アルカンタラ製のシフトノブなど充実の装備。4気筒のベーシックな「GRスープラ」については、今後もオートマチック車のみで展開されます。

トランスミッションについてはBMW製となるのか? トヨタが独自に開発したものであるのか? はいまだ不明です。BMWのギアボックスに手を加えるほうがわずかながら合理的であることを考えると、BMW製となる可能性が高いかもしれません。

フリクションプレートを大型化した新設計のダイアフラムスプリング式クラッチが採用され、そこにトヨタのインテリジェントマニュアルトランスミッションシステムのレブマッチ機能が組み合わされています。

このマニュアル仕様の「GRスープラ」の最終減速比(編集注:「ファイナルレシオ」とも呼ばれます)は、従来の3.15から3.46に変更されています。これによってスタート時のもたつきを抑え、低速ギアでも十分な加速を体感できるように進化しています。

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運転席に目を移すと、センターコンソールの形状が一新されています。これによってシフトチェンジがしやすくなり、ダッシュボードに手が当たる心配は無用となりました。シフトノブの重さや形状、操作性にも配慮が行き届いており、最小限の力でのシフトチェンジを可能にしています。

2023年型「GRスープラ」の全トリムでサスペンションとシャシーが改良され、オンロードでのバランスと居住性がより高まったとトヨタは胸を張ります。ショックアブソーバーと電動アシストステアリングにも再チューンが施され、3.0モデルの全てにアクティブディファレンシャルが標準装備されています。

ソフトウェアについても見てみましょう。「ヘアピン+」という新機能が追加され、5度以上の上り勾配の急カーブでのホイールスピンの制御などが機能として加わりました。さらにトラクションコントロールとスタビリティコントロールの両システムにも、新たな調整が施されています。

なお、2023年型トヨタ「GRスープラ」の販売価格については、この夏以降に明らかになる予定です。

Source / Road & Track
Translation / Kazuki Kimura
この翻訳は抄訳です。