あらゆる物事には相性があります。水と油、パンとバター、ずんぐり型の電動SUVとフェイクウッド製サイドパネル…などがその例です。そして、最後に挙げた一例こそがここで話題に挙げたいトピックとなります。

今年(2022年)の11月1日から4日まで、米ネバダ州ラスベガスで開催された「SEMA(Specialty Equipment Market Association=特殊部品市場協会)ショー」で初お披露目となった2023年モデルの日産「アリア サーフワゴン コンセプト」をどう解釈すべきか? という話です。

このモデルは、日産の依頼によりサイスカロライナ州にあるカスタムショップの「トミー・パイク・カスタム」が手掛けた、ウッディな雰囲気を帯びたサーフワゴンのコンセプトカーです。まずは率直に私(この記事の著者であるエリック・スタッフォード氏)の感想を言ってしまいましょう。どこか奇妙な見た目に、やはり驚かされました。

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NISSAN

背の高い球根のような形の日産「アリア」ですが、「そもそもこのモデルが、今回のカスタムの理想的なキャンバスであったのか?」という点からして疑問でもあります。そのためでしょうか、ウッドパネル調のビニールラップが、どこかとても場違いなものに見えてしまいます。ウッドパネルを模したトリムピースが、丸みを帯びたSUVのボディの形どおりに曲面を描いていることに、まず不自然な違和感を覚えないわけにはいきません。

ホワイトウォールタイヤに鮮やかなペイントが施されたスポークレスホイールという組み合わせは、普通であれば確かに目を引くものかもしれません。しかし、このサーフワゴンについて言えば、その効果は「期待どおりに得られている」とは言い難い仕上がりと感じました。20インチのホイールは大き過ぎで、タイヤのホワイトウォールは細すぎです。どうせなら、もっと小径のホイールに太くて分厚いホワイトウォールの組み合わせなら良かったようにも思いました。

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NISSAN

もちろん、何を美しいと感じるかは、見る人によってさまざまです。

日産はこの「アリア サーフワゴンコンセプト」を通じて、EVのカスタマイズを目指す人々を勇気づけようとしているのかもしれません。創造性や個性というのは確かに大切なものですが、だからと言ってこのコンセプトカーを手放しで褒める必要はないように思います。ただし、サーフボード用のルーフラックとローダウンなサスペンションについてはとても良い感じで、つまり長所もあるということです。

Source / CAR AND DRIVER
Translation / Kazuki Kimura
※この翻訳は抄訳です