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シボレー新型「コルベット」、ハイパーなデザインでスタイリッシュに登場

シボレー「コルベットC8」のデザイナー自らが、この最新スポーツカーの最も興味深い設計要素を解説してくれました。

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GREG PAJO / CAR AND DRIVER

 自動車デザインの世界で、ミッドエンジンレイアウトのコルベットを設計することほどプレッシャーのかかる仕事はありません。それは神話上の存在であり、自動車愛好家たちが数十年、あるいは生涯にわたって空想してきたクルマなのです。

 そして、そんなユニコーンのような伝説の存在がついに表舞台に飛び出すとなれば、それが角のあるラバでは期待外れになるでしょう。「コルベットC8」の設計・開発に携わったチームのメンバーたちは、その期待の大きさを承知しており、それは長年彼らの重圧となってきました。 
 
 エグゼクティブチーフエンジニアのタッジ・ジェクター氏は、ミッドエンジンレイアウトのコルベットについて、「開発チームの内なる未熟さから生まれる、独りよがりな空想にするわけにはいきませんでした」とし、「時代に流されない、かなり長期的に支持されるデザインのクルマにする必要がありました」と語ります。 
 
 また、「このクルマは、新たなプロポーションを持ちつつも、ひと目見てコルベットとわかるデザインでなければいけませんでした。かと言って、懐古趣味になってもいけないのです…。それは、つまりは設計の行き詰まりと感じられるからです。(コルベットにとって)1963年のようなデザイン一新の機会が必要でした。当時のモデルチェンジはコルベットの新時代を切り開き、その本質の目覚しい変化を発信したのです。また、どんな場合であろうと、つまらないデザインになってはいけません。それから気軽に普段使いできるクルマでありつつも、ロードトリップにも使い勝手が良くなければなりません。またときには、レースカーにもなるような柔軟性も必要だったのです」と、ジェクター氏は「コルベットC8」について語り始めます。 
 
 今回、多くのエンジニアたちが情熱を込めてつくり上げた、「コルベットC8」の姿をご紹介しましょう。※最後の2ページには、この新型コルベットの基礎となったコルベットの研究車両と位置づける「CERV III」もお見せします。

【動画】シボレー「コルベットC8」

これはyouTubeの内容です。詳細はそちらでご確認いただけます。
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 ミッドエンジンのスポーツカーの放熱や性能要件、パッケージングといった課題を解決するために、デザイナーたちは見た目にも美しくも機能的なソリューションを考案する必要がありました。その結果、意図せずして「青くさくも独創的な空想」とも言うべきクルマが完成したのです。 
 
 「コルベットC8」は、座席と後輪の間にV8エンジンを搭載しており、運転席は「コルベットC7」より約42cm前方の前輪真上にあります。このクルマは他のほとんどのミッドシップスポーツカーに比べ、はるかに乗り降りが簡単です。

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 斜め前から見ると、車体後方の広がりは一目瞭然です。

 「後方の熱交換器のサイズには衝撃を受けるでしょう。後方には、両側に対をなす燃料タンクも搭載されています。パッケージングの奇跡なのです」とジェクター氏。

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 従来の多くのコルベットと同じく、「コルベットC8」の上部ボディーは上に行くほど細くなっており、非常に幅広いリアフェンダーが強調されています。

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 マフラーカッターは高熱に耐えられるよう、二重構造になっています。ジェクター氏によれば、「コルベットC8」が標準搭載する「V8 LT2」エンジンは、755hpの「コルベットZR1」と同じくらい高熱の排ガスを放出すると言います。

 リアバンパー下部には、放熱用メタルメッシュパネルが搭載され、その左右にマフラーがあります。

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 水平方向に並ぶ控えめなプロジェクターヘッドライトは、素早い角度の切り替えが可能。

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 フロントトランクの蓋のギザギザのカットラインは、数十年前のステルス戦闘機「F-117」のレーダーに探知できないデザインを意識的に真似たもののように見えます。

 コルベットのエクステリアデザイン責任者のカーク・ベニオン氏は、「このボンネットには深さがあるため、コルベットを直角から見ると、このジグザグはきれいなラインになるのです」と語っています。

 これは想像も及ばない発想ですが、責任者自ら言っているので、そのとおりなのでしょう。

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 「技術的な問題を解決するためには、デザイン面で折り合いをつける必要がありました」と、ジェクター氏はコメントします。

 その一例が、大型のエアインテーク(空気を取り入れる入り口)にファンやラジエーターを組み込み、複数の機能を持たせたことだと言います。エンジンは、空気がもっとも冷たい開口部の上側から空気を取り込みます。 
 
 また、エアインテークの先端には、ドアハンドルも隠されています。長めのホイールベースを視覚的に分割するブラックの先端部分は、ボディカラーと同じにすることも可能です。

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 いまだに頭に刻まれている、「コルベット」=丸型のテールランプについてはここで忘れてしまいましょう。なぜなら、丸型はもはや、2世代前のデザインだからです。

 ジェクター氏は、「将来、丸いテールランプに回帰したときには、誰もが憤慨することでしょう」と語っています。

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 リアウィンドウは排気口に挟まれており、ガラスパネルの後端は0.6cmほど車体に覆いかぶさっています。

 このデザインディテールには、ランボルギーニ風の特徴がはっきりと見て取れますが、シボレーはこの指摘には応じていません。

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 リアトランクは、取外し可能なルーフパネルを収納できる広さになります。

 トランクがエンジンの真後ろにあるということは、シボレーは多くのスーパーカーメーカーのようなルーフの自動開閉は諦め、後ろ側全体を放熱に特化させたということになります。

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 2種類から選択できる、「コルベットC8」のホイールデザインの1つ。

 この5分割スポークホイールに加え、シボレーが「トライデント・スポーク」と呼ぶホイールが選択でき、後者はカモフラージュが施されていた多くのプロトタイプ版「コルベットC8」に搭載されていたものです。

 ホイールの仕上げは6種類から選ぶことができ、ジェクター氏は「クローム仕上げは一切ありません」と、誇らしげに語っています。

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 フラットボトムのハンドルがクールなら、トップとボトムの両方がフラットなハンドルは2倍クールではないでしょうか?

 当初エンジニアたちは、この形状に懐疑的だったそうです。が、「このカタチはラウンド型のハンドルに比べて、デジタルの計器スクリーンを見るときに邪魔にならない」というインテリアデザイナーの指摘があったと言います。

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 センターコンソールは、あまりセンターコンソールらしいものではありません。と言うのも、運転席と助手席は仕切りで区切られており、この上に小さなボタンが並ぶカタチとなっているためです。

 「コルベットC8」のインテリアの極端なリデザインの一面であり、マニュアルシフターのあるべき場所にカップホルダーがある点も同様です。

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 これまでのコルベットと比べると、「コルベットC8」の内部は、外側からよりはっきり見えます。大きなウインドシールドからはインテリアがよく見え、後方のガラスパネルからはエンジンが見えています。

 6.2リッター「V8 LT2」エンジンのバルブカバーは、標準でディープレッドに塗装されていますが、ブレーキキャリパー(ディスクブレーキを構成する部品の一つ)についても、このカラーリングが選択できるそうです。

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 「コルベットC8」はノーズの真ん中に一定サイズの荷室があるため、フロントの熱交換器はコーナーに移動する必要がありました。

 これらの開口部を覆う水平のグリルは、歩行者保護の要件を満たすためのものです。

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 「我々は、高いブランド・エクイティ(ブランドが持っている資産価値)を有しています。わたしたちは、他のクルマと混同してもらいたくはないのです。それは、例えば隆起しエッジを効かせたフェンダーひとつにもに表れています。ここには多くの方が、従来のコルベットをリスペクトしながら継承していることに気づくポイントとなります。しかし、決して守りに入っているわけではありません。常にアグレッシブな姿勢でいようと努めています」と話しています。

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 ジェクター氏は新たなコルベットのインテリアについて、「もはや『プラスチックっぽい』とは言わせません」と語ります。

 実際、「コルベットC8」はレザーとカーボンファイバーで覆われており(もちろん、カーボンファイバーがプラスチックの一種であることは承知の上ですが)、レザーで覆われた小さなパネルはダッシュトップの上部に浮かんでているようでした。

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シボレー(Chevrolet)

   

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なんと1899年のモデルも。電気自動車(EV)界に影響を与えた14台の名作EV

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