もう“G-ワード(※1)”にはうんざりしているでしょうし、正直、私もそうです。1時間以上外出が許されるようになって以来、それはTik TokやTwitter界隈の話題になってきました。ハイキングブーツはキャンプサイトからコンクリートジャングルに移り、イースト・ロンドンのパブには(歴史的建築物や景観地の保護機関)ナショナル・トラストが管轄するハイキングコースよりもフリースがたくさん見られます。

それは一瞬流行って、そのまま消えていくような消費型トレンドではなく、実際ずっと前から延々と続いてきたトレンドであり、今もピークに近づいていると言えます。そして、“ゴープコア(※2)”が徐々に有名になるにつれて、このトレンドが衰退していくにしてもその速度は如何にゆっくりなものになるかがわかります。

ロックダウンによって、快適かつ見栄えが良い服が必要になったことが定着し、このトレンドがまだ終わっていないこと、私たちがこれを継続させたいと思っていることを証明しています。何しろ、今日では、脱いだ瞬間にホッとするような服を着たいと思う人は誰もいません。そして、屋内に閉じ込められた数か月を経て、いかにアウトドアを必要としていたかを実感したことも合わせると、なぜいま私たちは皆ベア・グリルス(※3)のような服を着始めたのかがわかるでしょう。

※1 the G-word=Gから始まる口に出すことが憚(はばか)られる単語。ここではgorpcoreを指す。
※2 gorpcore=アウトドアに必須アイテムとされるグッズや軽量で栄養価の高い食品を示す「GORP(Good Old Raisins and Peanuts)」が由来。アウトドアで使われるようなハイキングブーツ、フリース、レインジャケットなどを普段着として取り入れたファッションスタイルのことを表す。近年、アウトドアファッションの人気の高まりに合わせ、SNSなどで注目されるように。
※3 Bear Grylls=ディスカバリーチャンネルの人気冒険番組「サバイバルゲーム MAN vs. WILD」のホスト。イートン校卒上流階級出身の元軍人。

ディオール×ミステリーランチ
Dior
ディオール × ミステリーランチ
Dior

高級ファッションブランドは、実用性を重視したアイテムやトレッキング界のリーダーとの限定コラボレーションで話題を提供し続けています。その最新の事例が、「ディオール」と「ミステリーランチ」によるバッグコレクションというわけです。

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The Dior Men's Summer 2023 Campaign
The Dior Men's Summer 2023 Campaign thumnail
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メンズ アーティスティック ディレクターのキム・ジョーンズは2023年サマーコレクションの一部として、ムッシュ・クリスチャン・ディオールの自然への愛をインスピレーションの源にしました。ハイキングシューズ、メッシュプルオーバー、そしてフィッシャーマンズベストの隣には、あなたを地元の公園から大自然で暮らす1週間の旅へと誘うアクセサリーもありました。そこには、ダブルジップのコンパートメントとナイロンジャカードショルダーストラップを特徴とする、有名なサドルバッグのアップデート版も含まれます。森の中にいようといまいと、タンパク質を豊富に含む(まさにGORP)ハイキングスナックを入れるのに最適です。

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The Savoir-Faire Behind the Dior by Mystery Ranch Bag Collaboration
The Savoir-Faire Behind the Dior by Mystery Ranch Bag Collaboration thumnail
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例えば普段の外出から自転車通勤用、そしてハイキングまで対応できる“ギャラゲーターバックパック”は、整備されていない未開拓の自然に踏み入れる冒険にすら対応しています。Y字型の3つのジッパーで構成され、複数のコンパートメントに簡単にアクセスでき、調整可能な圧縮ストラップで快適にフィットします。天気が悪くなったら、耐水性のフード付きカバーを出すだけです。その実用性のあまり、危険を伴う高度なチャレンジさえ「やってみたい」と思わせるかもしれません。

ですが大抵の場合は、それよりもコッツウォルズ(※)での快適な週末旅行に誘惑される可能性のほうが高いでしょうが…。
 
※ イギリスの自然保護地区で人気の観光地

ディオール×ミステリーランチ
From: Esquire UK