少しずつ暑くなってきました。今週末はご自宅で、爽快なジントニックなんて楽しんでみてはいかがでしょうか? ですが…、もしあなたがスーパーやコンビニで簡単に手に入るような「普通のトニックウォーター」でジントニックをつくろうとするのであれば、それはあまりおすすめできません…。

 特に高価なジンをお持ちであるならばなおさら…。ミキサー(割り材)となるトニックウォーターの質が低ければ、せっかくの良質なジンも台無しになってしまう可能性すらあります…。

 ジントニックをはじめカクテルと一緒に楽しむ際のトニックウォーターは、多くの人が想像している以上に大切な存在と言えるのです。例えばジントニックを飲む際、そのカクテルの約3/4はトニックウォーターとなるわけですから…(つまり、実際には「ジントニック」ではなく、「トニックジン」と表現すべきなのかもしれません。かと言って、ビリー・ジョエルが『Piano Man』の中で「tonic and gin」と歌っているのはそんな主張からではないでしょう…)。

たとえ高価なジンでも
低質なトニックウォーターなら
ジントニックは美味しくなりません…

 「普通のトニックウォーター」は、必要以上にフローラルな香りがしたり、不要な糖分が多く含まれがちです。それをジンのミキサーとして使っても、ジン本来の味わいよりも強く主張し、ジン本来の魅力を引き出しにくくなってしまうのです…。

 美味しいジントニックを求めるなら、まずはトニックウォーターをこだわるべし。そこでこのページでは、「トニックウォーター」について今一度確認していきましょう。

preview for 7 MISTAKES THAT ARE RUINING YOUR GIN AND TONIC


トニックウォーターとは?

トニックウォーター
pjohnson1//Getty Images

「キニーネ」を含んだ医療用飲料水として誕生

 トニックウォーター誕生の地は、英国の植民地であった熱帯地方と考えられています。当時、「キナ」という植物が、マラリアなどの熱病に有効であることが知られていました。そのキナの樹皮から精製された苦みのある成分である「キニーネ」を含んだ医療用飲料水として誕生したのが、トニックウォーターになります。現在ではキニーネを使用することは稀(まれ)で、その代わりに柑橘類の果皮のエキスなどが調合されるケースが多くなっています。


炭酸水とトニックウォーターの違いとは?

 トニックウォーターと似た存在の飲み物に、炭酸水があります。見た目は似ていますが、味や材料が異なります。トニックウォーターは、炭酸水にレモンをはじめとする柑橘類の皮から抽出されたエキスと糖分を加えた清涼飲料水です。一方で炭酸水は、水に炭酸ガスを含ませただけの清涼飲料水となります。


カクテルのミキサーとして飲むのが一般的

 最も一般的なのが、カクテルのミキサーとしての飲み方となります。トニックウォーターを使う定番カクテルは、ジントニックにカンパリトニック、さらにスプモーニ、ウイスキートニック、ウォッカトニックなどなど…。多くのお酒とともに楽しまれています。


そのまま飲んだ場合の味わいは?

 このように、カクテルやウイスキーの割り材として知られるトニックウォーターですが、もちろんそのまま飲むことも可能です。それは食前に飲まれることも多くあります。トニックウォーターの味は、ほのかに感じられる甘さと爽やかな酸味が特徴となっています。


トニックウォーターのカロリーは?

 加糖の具合によって異なりますが、USDA(アメリカ合衆国農務省)によるとトニックウォーターの平均的なカロリーは、100mlあたり約34kcalが目安となっています。


「フィーバーツリー」が起こした“トニックウォーター革命”

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 歴史をひも解いてみると、トニックウォーターは長らく過小評価をされ続けてきました…。ジントニックをつくるのであれば、あくまでも主役は「ジン」であり、トニックウォーターは別に何を選んでもそう大差はない…と。

 幸いなことに、そんな時代はとっくに過ぎ去っています。トニックウォーターが脚光を浴びるようになったのは、2004年にロンドンで誕生した「フィーバーツリー(FEVER-TREE)」の登場によるところが大きいと言われています。

 多くのトニックウォーターが人工甘味料や香料を加えてつくられていましたが、「フィーバーツリー」は「キナ」を使用した本格的なトニックウォーターを発表したのです。当時のプレミアムジンの世界的なブームも追い風となり、「フィーバーツリー」が表現する自然本来の味わいが評判を呼び、プレミアムミキサー(割り材)のパイオニアとして世界70カ国以上に広がりました。

 そうして「フィーバーツリー」はジンとの相性が抜群で、ジンの特性を余すところなく存分に引き立ててくれると評判になりました。「ジンよりもトニックウォーターを選ぶことが重要」と話すカクテル愛好家の言葉を信じるなら、その逆の「質の悪いトニックウォーターを使っている限り、どんなジンを選んでも味にそう大差はない」もまた真なり…というわけです。


トニックウォーターのおすすめの5選

フィーバーツリー プレミアム トニックウォーター

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 こちらが2000年代初頭のプレミアムジンのブームとともに誕生した、プレミアムミキサー「フィーバーツリー」です。アフリカや中南米で見つけた天然原料を使用し、添加物は不使用。ほとんどのジンに適したオールラウンドなミキサーになります。


フェンティマンス トニック・ウォーター

 イギリスで100年以上愛されてきた「フェンティマンス」。その特徴は「ボタニカル醸造」にあります。これは自然素材の原材料を調合・発酵させることでドリンクをつくり出す伝統的な製造方法で、「フェンティマンス」はそのレシピを100年以上にわたり代々引き継ぎ、変わらない味を守り続けています。

 「フェンティマンス」のトニックウォーターは、キナ抽出物によるトニック本来の苦みがあり、少し辛めで味の濃さが特徴。スパイシーなジンとの相性はこれまた抜群です。


シュウェップス トニックウォーター

 ほどよい酸味と控えめの甘味、そして強めの炭酸が特徴の「シュウェップス」のトニックウォーター。男らしいドライな味わいで、ハードリカーとのミックスにも適しています。


ウィルキンソン ウィルキンソン トニック

 苦みと酸味の絶妙なバランスが特徴となるのが、「ウィルキンソン」のトニックウォーターです。すっきりとした苦みと爽やかな酸味のバランスが絶妙で、クリアで優しい味わいが魅力。ミックスするお酒の味を絶妙に引き立ててくれます。


フィーバーツリー エルダーフラワートニック

 こちらも「フィーバーツリー」から。アフリカ・コンゴ産のキナに加え、手摘みした英国産エルダーフラワーを加えたトニックウォーターになります。よって、爽やかかつフルーティーさが際立っています。よって、フローラルなジンとの相性は抜群というわけです。

 それでは皆さん、お気に入りのジンのために、絶好のパートナーとなるトニックウォーターを探してください。あとは…何か聴きたい気分にもなるでしょう。そんなときはまずはこの曲を! もちろんビリー・ジョエルです。彼は2020年5月9日に71歳になったばかりですし…。

これはyouTubeの内容です。詳細はそちらでご確認いただけます。
Billy Joel - Piano Man (Official HD Video)
Billy Joel - Piano Man (Official HD Video) thumnail
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 ピアノはカーニバルのように響き、あたりにジントニックの匂いが漂う…そんな至福の時間をぜひとも味わってください。

Source / Esquire NL
Translation / Esquire JP
この翻訳は抄訳です。