2020年7月17日、アメリカの政治家および公民権運動の指導者であるジョン・ルイス氏が逝去。2週間後の同月30日(現地時間)に追悼の式典が行われました。

しかしその同日、アメリカの大統領は「2020年の大統領選挙を遅らせることはできないか?」と衝撃的発言をし、またも市民や政府を大混乱に陥れようとしたのです。

アメリカが生んだ遺産とも言える故・ルイス氏に関する話題が尽きないニュースに、きっと動揺でもしたのかもしれません…!? または、第二四半期の年間GDPは記録的ペースで低下しており、失業率の増加に関する訴えが絶えない…からかもしれません。こうした最新の破壊的な経済ニュースから、国民の注意をそらそうとした可能性もなきにしもあらずです。

しかしながら、そんなことは問題にもしていないでしょう…きっと。このアメリカ大統領は、2016年以来アメリカの大統領選挙の正当性を損なうような問題を堂々と暴露し続けていますので。

当時彼は、大統領選挙で対決相手であったヒラリー・クリントン氏に負けそうだと思ったときには、声を大にして「ヒラリーの選挙がどのように不正に行われているのか」について騒ぎ立てました。ヒラリーが300万人もの投票数を失ったときに彼は、「数百万人が対面での投票詐欺を犯した」と叱責(しっせき)したのですから。

パンデミックが猛威を振るう中での開催が予想される2020年大統領選挙は、郵便投票という新たな手段で行われようとしています(政府のパンデミック対策失敗により、15万人以上の死者を出したアメリカでは、直接の投票を避けたいと熱望されているようです)。

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郵便投票(在外不在者投票ではありません、これについては問題ありません)により、2020年は史上最も不正確で不正な選挙になる。そして米国は恥辱を味わうことになるでしょう。人々が適切かつ安全に投票できるようになるまで、選挙を遅らせられないか???

現地時間2020年7月30日(木)の朝、トランプ大統領はまだ行われていない大統領選挙(同年11月3日)を正当に行うため、「…選挙自体を延期することはできないか?」と、Twitterに投稿しました。これまで、国民だけでなく世界中のメディアから批判や嘲笑されるような発言を繰り返してきた大統領の発言だけに、またも「どんな思惑があるのか?」と推測が飛び交っています。

与野党双方の議員は早速反対の声を上げ、法律専門家も否定的な見方を示しています。そしてトランプ氏もその後早速、「大統領選の延期は望まない」と表明もしていますが…。

アメリカでは海外に駐留している軍人・軍属や、海外勤務・留学などで海外に滞在する市民が、国外から郵便で投票することができる在外不在者投票制度があります。この在外不在者投票と今回話題となっている郵便投票の間には、それほど大きな違いはありません

これまで、郵送による投票で重大な投が発生したという証拠はありません。過去20年間に投じられた総投票のうち、メール投票詐欺として分かったのは0.00006%ケースのみとの報告となっています。結局のところヒラリー氏の投票にも調査が入りましたが、不正など見当たらず、トランプ氏の発言は無視できる単なる茶番にすぎなかったのです。

投票が彼自身のためにならないと判断したなら、すぐにその投票を詐欺扱いする…それがトランプ大統領です。ウイルスの感染症予防のため郵便投票に頼ることとなる選挙を前に、郵便サービスの信頼性を損ねるなど、国民に投票させないよう策を講じる可能性もあります。

また、彼は学校や他のすべてを再開することを執拗に後押ししているにもかかわらず、この投稿は、今「直接投票することは安全ではない」と示唆する内容…。これはかなりの矛盾をはらんだ主張であり、国民の生死に関わる問題を軽視しているとしか思えません。

これは、さらなる弾劾可能な犯罪ではないでしょうか。「国益を無視し、もしくは国益を傷つけながら、不当な個人的利益を得るため」に行った大統領権限の乱用としか言いようがありません。

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問題のツイートの1時間後に、NY州ロングアイランドのピザスポットをおすすめしていることもすぐに検討がつきます。おそらく、そこの所有者がテレビなどで彼を賞賛したからでしょう。結局のところ、彼は道化師なのです。

しかし、国務長官は「選挙がいつ行われるかの決定」は、司法省に委ねられることを議会の前ですでに証言しています。

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これら一連の出来事が、故・ジョン・ルイス氏の葬儀の日に起こりました。2020年7月26日(現地時間)、50年以上前に起こった「血の日曜日事件」の地であるアラバマ州エドモンド・ペタス橋を通って遺体が搬送されました。

かつて、彼はこう話していました。

「『投票』とは、民主主義社会が持つ最も強力で非暴力的な改編です」「これは保証されたものではありません。なので、われわれはそれを使うべきなのです…。さもなくば、われわれをそれを失う可能性もあります」と、彼の訃報が報じられる直前に公開された注目すべき論説につづられています。

そして現在のアメリカ大統領は、この投票システムを破壊しようと躍起になっているようです。

Source / ESQUIRE US