現代のキャンピングカーは、充実した装備と広々としたスペースを兼ね備えたものが主流となりつつあります。「それは、さぞや素晴らしい1台に違いない」、あなたはそう思うかもしれません。

 ですが、実際はどうでしょう? 少なくとも、使う人のことを考え抜かれた設計であることは確かです。ところがたった1つだけ問題があります。それは…そのクルマに乗っているあなたが全く格好よく見えないのです。

 ここだけの話ですが…、現代のキャンピングカーには眉をひそめてしまうことも少なくありません。巨大で平面的、そして縦に長いデザイン…。キャンピングカーとしてのスタイルやデザイン性よりもスペース効率が重視され、より多くのキャビネットや荷物を収納するためにあらゆるものを犠牲にしているかのようにも見えてしまいます…。

 つまり、どういうことかと言いますと、“クールでグルービーなキャンピングカーを手に入れたいのなら、レトロなものを探さなければならない”…ということです。

 何十年もの間、RV車の多くはお世辞にもクールとは言えない存在でした(今でこそデザイン性の高いRV車もありますが…)。しかし、キャンピングカーは違います。キャンピングカーの多くは、昔からもっと個性があって、主張があって、われわれをワクワクさせるような“何か”がありました。

これはpollの内容です。詳細はそちらでご確認いただけます。

 そう、その中でも決して忘れられない1台があります。フォード「エドセル・レンジャー」をベースにしたカスタムキャンピングカー、「コージーカーカンペール(Kozy Kar Kamper)」です。

 1950年代末から60年代初頭のアメリカの雰囲気を凝縮したかのような「エドセル・レンジャー」をキャンピングカー仕様にカスタムしたこの1台は、当時のアメリカンカルチャーやその雰囲気を愛する人たちに大きな希望を与えてくれました。

 そして先日、70年代のアメリカ車の美学を求める人に向けてつくられたキャンピングカーを目にする機会に恵まれました。

 それが「Brown Sugar(ブラウンシュガー)」と名づけられた、シボレー「C30」をカスタムしたキャンピングカーです。SEMA 2019(米国自動車用品工業会が主催するトレードショー)の出展用に製作された1台で、アメリカのオークションサイトのeBayに出品されています。

映画で見たような“グルービー”なキャンピングカー
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 ベースとなったシボレー「C30」は1983年式。何も手を加えない状態では、70年代のアメリカンな雰囲気にはなりませんでした。ですが、アイオワ州に本拠を構えるビルダーの「River City Rods(リバーシティーロッズ)」は本気だったのです…。

 クルマ全体をアースカラーのトーンにペイントし、側面にはストライプのラインを走らせました。するとどうでしょう、80年代のクルマは70年代を思わせるような“キャンピー”で“グルービー”なスタイルへと姿を変えたのです。そればかりか、このペイントはローライダー文化を広めたクラシックなシボレーの魅力を、最大限に引き立てるものとなったのです。

 続いてキャンピングカーの居住スペースに目を移すと、茶色の格子縞とベロアとレザーの質感が絶妙にマッチし、岩山や大地を思わせるようなこのクルマのデザインテーマを表現しています。そして、折り畳み式ベッドや流しにトイレ、コカ・コーラのロゴが入ったビンテージの冷蔵庫を搭載し、居住性の高いミニキャンピングカーとなっています。

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 米国eBayの出品ページによりますと、搭載しているエンジンは5.3リッターのシボレーV型8気筒で、出力の詳細は明記されていません。シフトは4速オートマチック。走行距離計は80マイル(約129km)を指していますが、それ以外はほぼ未使用のような良コンディションです。まだ、あまりキャンプに使われていないことは明らかでしょう。

 オークションは一度締め切られ、最高入札額は10万99ドル(約1080万円)でした。出品者の落札希望額に満たなかったことから取引は不調に終わり、現在再びオークションに出品されています。今回の新たなオークションは、2020年4月5日午前12時46分の終了が予定されています。

 オークションへの参加の有無は別としても、使用する道具やそのブランド選びなど、“どんなスタイルで楽しむか”にこだわることもキャンプの醍醐味の1つです。

 いつの日か、このキャンピングカーのようにレトロなアメリカが薫るキャンプを楽しんでみるというのはいかがでしょう? ひとまず今は、そのイメージを膨らませておきましょう。

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Source / Road & Track
Translate / Esquire JP
この翻訳は抄訳です。