2022年6月23日~26日の期間で、イングランド南部のウェスト・サセックスにあるグッドウッドで開催されるモータースポーツのイベント「グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード(Good Wood Festival Of Speed)」が開催されました。最新の自動車文化や新型モデルに触れることができるとあって、自動車愛好家が毎年開催を心待ちにするイベントです。

そこでフォードは、最新のコンセプトカー「プロ・エレクトリック・スーパーバン」を世界初披露して大きな話題を呼んでいます。それは約2000馬力というパワーに満ちたピュアEV(電気自動車)で、現時点におけるヒルクライム最速の新型車となることは間違いないでしょう。

 
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ボディは欧州における新型の商用EVバン「E-トランジット・カスタム」のフロアパン(端的に言えば自動車の床の部分)に、カスタマイズされたスペースフレームを組み合わせて構成されています。フォードは、「ボディパネルには軽量の複合材が使われている」と公表しています。

内部に搭載された50kWhの水冷式バッテリーが4つの電気モーターを駆動し、その出力の合計は1972馬力に及び、時速0-100キロ加速は2秒フラットという速さ…。

キャビンはFIA(国際自動車連盟)規格の安全装備で守られ、「ロード」、「トラック」、「ドラッグ」、「ドリフト」、「ラリー」の5種類のドライビングモードが、タッチスクリーン上で切り替えられるように設計されています。4つの電気モーターには独自のプログラミングが組み込まれ、モードごとに十分なトラクションが確保される仕組みです。

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ちなみに規格外の「プロ・エレクトリック・スーパーバン」ですが、フォードがこれまでワンオフモデルとして生み出してきた“超高出力バン”の4代目に当たります。その始まりは1971年。「GT40」のシャシーに「Mk.1」のボディをかぶせ、V8エンジンを搭載した1台でした。

その後、より過激さを増したバージョンとして、レーシングカーである「フォードC100」に「Mk.2トランジット」のボディを組み合わせ、580馬力を誇るコスワースV8エンジンを積んだモデルがつくられました。さらに3代目として、先代のシャシーを改良し、新型ボディとよりパワフルなF1由来のコスワースエンジンを組み合わせた1台がつくられています。

Source / Road & Track
Translation / Kazuki Kimura
※この翻訳は抄訳です